ぼくの、味覚の根っこ。その壱 [黒森庵]
もともとぼくは、
子どものころ、ほぼ、
いまでいうベジタリアンだった。
肉がきらい。
魚もあんまり。
あ、野菜も好きじゃなかった。
かなりの偏食だ。
一方、ごはんが大好き。
たぬきうどんが好き。
(注:まだ、この時点ではそばが好きではありませんでした。
また、「パスタ」などという食文化は知りませんでした)
いわゆる「主食」が好きだった。
でも、そういえば、パンは好きじゃなかったなぁ。
(今は、大好きです)
あ、あと、煎餅が好き。
ご飯と、きゅうりの糠漬けがあれば、それで満足な小学生だった。
毎日のようにお茶漬けを食べていた。
ハンバーグが出ても、カレーが出ても、とんかつが出ても、
少し箸をつけて食べたように装い、お腹を空けておく。
なにより、そのあとに食べる
ご飯に熱いほうじ茶。
ぬか漬けの新香は、
いつもおばあちゃんが出してくれていた。
それが切れているときは、
これもやっぱりおばあちゃんが炊いてくれた昆布のつくだ煮。
おばあちゃんが亡くなってからは、母がぬか漬けをしてくれた。
丸ごと一本、きゅうりのぬか漬けをぽりぽり、こりこり食べては、
ささーっ、と茶漬けをかっ込む。
ああ、うっとり。
もう一つの大好物が、堅焼き煎餅。
それも人形町の焼きたてが、ものすごくおいしかった。
風呂に持ち込んでも食べたし、
それでも満足しないときは、
寝床に持ち込んで、寝るまで食べていた。
上を向いて食べると、パジャマの襟から小さな割れが入るので、
背中がちくちくしてなかなか寝られなかった。
ほんとに時々でしかなかったが、
父がたまの休みのときなどに店まで連れて行ってくれた、
人形町「草加屋」。
(今でも、手焼きをしています)
目の前で焼き上がった煎餅に、醤油をジュっと漬け、
「はい」
と渡してくれる。
立ちのぼる醤油の香ばしさ!
ちょっとだけしっとりしていながら、
中はパリッパリ。
何枚食べても飽きない。
(注:今は生地・醤油がちょっと変わったような気がします。
50年も前の記憶ですから、ぼくのほうが変わっているのかもしれませんね。
それから焼きたてはなくなっているかもしれません)
家に帰ってからのお楽しみがもう一つ。
それは「せんべい茶漬け」だ。
この煎餅を細かく割って、
飯の上に乗せ、
焼海苔をちぎって、
醤油を一たらし。
そこに熱々のほうじ茶を注ぎ、
サラサラ、ポリポリする。
(糠漬けは女将がやってくれていましたが、今は三女が毎日やってくれています)
ああ、至福。
(撮影:三女)
子どものころ、ほぼ、
いまでいうベジタリアンだった。
肉がきらい。
魚もあんまり。
あ、野菜も好きじゃなかった。
かなりの偏食だ。
一方、ごはんが大好き。
たぬきうどんが好き。
(注:まだ、この時点ではそばが好きではありませんでした。
また、「パスタ」などという食文化は知りませんでした)
いわゆる「主食」が好きだった。
でも、そういえば、パンは好きじゃなかったなぁ。
(今は、大好きです)
あ、あと、煎餅が好き。
ご飯と、きゅうりの糠漬けがあれば、それで満足な小学生だった。
毎日のようにお茶漬けを食べていた。
ハンバーグが出ても、カレーが出ても、とんかつが出ても、
少し箸をつけて食べたように装い、お腹を空けておく。
なにより、そのあとに食べる
ご飯に熱いほうじ茶。
ぬか漬けの新香は、
いつもおばあちゃんが出してくれていた。
それが切れているときは、
これもやっぱりおばあちゃんが炊いてくれた昆布のつくだ煮。
おばあちゃんが亡くなってからは、母がぬか漬けをしてくれた。
丸ごと一本、きゅうりのぬか漬けをぽりぽり、こりこり食べては、
ささーっ、と茶漬けをかっ込む。
ああ、うっとり。
もう一つの大好物が、堅焼き煎餅。
それも人形町の焼きたてが、ものすごくおいしかった。
風呂に持ち込んでも食べたし、
それでも満足しないときは、
寝床に持ち込んで、寝るまで食べていた。
上を向いて食べると、パジャマの襟から小さな割れが入るので、
背中がちくちくしてなかなか寝られなかった。
ほんとに時々でしかなかったが、
父がたまの休みのときなどに店まで連れて行ってくれた、
人形町「草加屋」。
(今でも、手焼きをしています)
目の前で焼き上がった煎餅に、醤油をジュっと漬け、
「はい」
と渡してくれる。
立ちのぼる醤油の香ばしさ!
ちょっとだけしっとりしていながら、
中はパリッパリ。
何枚食べても飽きない。
(注:今は生地・醤油がちょっと変わったような気がします。
50年も前の記憶ですから、ぼくのほうが変わっているのかもしれませんね。
それから焼きたてはなくなっているかもしれません)
家に帰ってからのお楽しみがもう一つ。
それは「せんべい茶漬け」だ。
この煎餅を細かく割って、
飯の上に乗せ、
焼海苔をちぎって、
醤油を一たらし。
そこに熱々のほうじ茶を注ぎ、
サラサラ、ポリポリする。
(糠漬けは女将がやってくれていましたが、今は三女が毎日やってくれています)
ああ、至福。
(撮影:三女)
2010-07-20 17:39