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はたらく自転車たちの復活を願う [自転車]

ぼくが自転車を好きになったのは小学校の頃だったから、

50年以上・・・、ああ、これを書いていて、

当時のことを走馬灯のように思い出す。

もう死ぬのか、ぼく。



それはそれとして、

子どものころから、自転車が大好きだった。


乗るのも好き。

見るのも好き。



ぼくが小さい頃は、まだ冷蔵庫が電気ではなかったから、

氷屋さんが自転車でリアカーを引いて売りにきていた。


来るたびに、大鋸で

「シャッ、シャッ、シャッ」

という音とともに氷を切り出す光景を見るのが好きだった。

氷のオガクズをもらって大喜びをしたのは、

そうかぁ、

もう50ん年以上前のことなんだ。



畳屋さんが、サイドカーに畳を乗っけて走っているのを見て、

「ああ、自分もああやって運転してみたいなぁ」

といつも思っていた。


豆腐屋さんは、木でできた箱を自転車の後ろ荷台にくくりつけて売りにきていた。


そば屋さんは出前でいくつもせいろを重ね、腕を競っていた。



現代になり、地球規模の温暖化が騒がれだし、

メタボリック症候群という言葉に代表される健康ブームなど、

それが直接影響しているかは定かではないが、

自転車が脚光を浴びてきているのは、たしかだと思う。



でも、昔、ぼくが当たり前のように見た

「はたらく自転車」

たちが町中を走り回っているわけではない。



でもいつかは復活を果たすのではないかと、

ぼくはひそかに期待している。



インターネットをやるようになってここ10年くらい、

ずいぶんと各国の「はたらく自転車」資料を集めた。



でも、資料として閲覧するのでなく、

この目で、見たい。

できれば買って、乗ってみたい。



そう思っていたら、武蔵美の同級生からメールがきた。



お暑うございます。

「PACIFIC PEDAL LIFE DESIGN アジアーパシフィックの自転車生活デザイン展」
http://pedallife.com/exhibition/index.html

今から行ってきます。



行かないでか。



六本木のど真ん中に、駐輪場が。

駐輪場.jpg

世の中、確実に動いている。


駐輪場2.jpg

たしか3時間までなら無料だったような(うろ覚えです、すみません)。

盗難の心配も少ないし、違法駐輪で持っていかれる心配もない。

すばらしい。


ミッドタワーの5Fで開催中。



うわ、こんなの知らないぞ。

三菱重工の自転車.jpg

「三菱十字号」旧三菱重工業 1927年製作。

零式艦上戦闘機、通称「ゼロ戦」を作った会社、
が、作った自転車。

アルミ(もしくはジュラルミン)の板を曲げて、
それをリベット止めしてフレームを作るなんて。

飛行機の翼を見ているみたいだ。

すごすぎますね。

荷台もアルミ(もしくはジュラルミン)のプレス。

今でもモダーンそのもののデザイン。

終戦後、数年でこのような自転車を作り上げてしまったなんて、

やはりものすごい技術を持っていたんですね、日本という国は。



のっけから、わくわくさせてくれるではないか。



次もすごい。

 BULLITT.jpg

BULLITTという自転車。

最新のWORK BIKE、まさに「はたらく自転車」だ。

(昔は「BIG BEN」と呼ばれていた気がします。ここまで現代的な装備ではなかったような)


ハンドルの前に荷台があり、100kgの荷物が積める。

ディスクブレーキ。


「BULLITT bicycle」
http://www.larryvsharry.com/english/index.html

画像・映像の検索をすると、とても面白い。

世界中でいろいろな使われ方をしています。


今回展示はなかったが、こういう自転車もある。
http://www.christianiabikes.dk/

一台、ほしい。



次はこれ。

そば屋の出前.jpg

そば屋の出前自転車ですね(これは新車が今でも買えます)。

昔は、何段そばのせいろが積めるかで腕を競っていた。

「さざえさん」などのマンガの題材にもなっていたなぁ。



次もたいへん興味深い。

シクロシティ富山.jpg

富山市が運営する「コミュニティ・サイクル」。
http://www.cyclocity.jp/
http://mottainai-lab.jp/wakuwaku/2010/03/001119.php

フランスではすでに導入されている方式。
http://engineerlive.jp/life/article/article_21

日本初。

富山市はこれに先立って、

すでに「ポートラム」という路面電車を復活させている。
http://www.t-lr.co.jp/

先進的な市だ。

黒森庵の玄蕎麦の半数以上は、富山の生産者から購入している。

今年ももうすぐ畑を見に行くので、

ぜひ、「ポートラム」そして「シクロ・シティ」を堪能してみようと思っている。



次は、これ(レース車なので、はたらく車ですね)。

ツール・ド・フランス出走車.jpg
1934年ツール・ド・フランス出走車。

現在のロードバイクと、ほとんど変わらないフォルムを、
76年前に、すでに持っている。


驚いたのは、大きなフレームなのに
ツール・ド・フランス出走車570.jpg
トップチューブが570mm。
シートチューブは、確か550mmだったかと思う(写真を撮るのを忘れました)。


短いクランクだったことだ。
ツール・ド・フランス出走車4.jpg
わかりにくいかもしれないが、160mmです。


ギアは3枚しかない。
ツール・ド・フランス出走車5.jpg

これでよく激坂を登っていたと、
心底感心する。

当時の選手たちは、怪物です。



つぎは、これ、ものすごく美しい。

COVENTRY1.jpg
1905年より輸入された、「ラッジ・ウィットウォース社」(英国)の競争車。


美しいフォークまわり。

フォーク周辺の美しさ.jpg


ハンドパワー?

ヘッドチューブ・マーク.jpg
ヘッドチューブの社名銘板です。


クランクにも、同じ「ハンドパワー」マークが。

クランク.jpg
美しい。



ほかにも、たくさん興味深い自転車がありました。



ポスター鬼。

ポスター鬼.jpg



ロートレック? (たぶん、そうだと思います)

ロートレック?.jpg



ああ、おもしろかった。



帰路、やっぱりがまんできませんでした。

本村小学校近くの坂.jpg

麻布は本村小学校近くの坂。



今日は新兵器が付いていない自転車で行ったので、
斜度はわかりませんでしたが、
たぶん、測定不可だったと思います。

最後のところで、気を抜いたらバク転しそうでした。


楽しい一日でした。