そば屋が、そば屋の宣伝を、しますとも 石神井「菊谷」 [そば屋ともだち、そばとも、とも]
親友のTOMが、夏新のそばを食べまくっている。
「夏新」とは、春播き夏収穫の新そばのことですね。
昔は、お盆前後に種を播き、晩秋の頃に収穫、それが新そばだった。
元々は、本州とはちがう気候の北海道で始まったものだが、
世界的な気象変動などで、
本州でも早播き、夏穫りの新蕎麦も出てきている。
どちらが正統だとか、どちらが良いとか、
そういうことはないと思うし、
美味しければよいのだと思う。
ぼくは、秋に収穫される蕎麦が、
なにかぼくの身体の感覚とぴったりくるので、
「夏新」を購入したことはない。
けど、
TOMが食べまくってるのを横目で見ていて、
しかも、
「今年は、例年になく、いいかも」
なんて書かれると、
食べたくなるだろ、
だれだって。
雨が、しとしと、木曜日♪(タイガースのジュリー的に、お歌いください。古いですね)
さて、どこへ行こう。
TOMと同じところへ行くのも、なんか、しゃくだ。
おお、あそこへ行こうっと。
菊谷さんは、神田和泉屋という、知る人ぞ知る酒店主催の、
利き酒大会で優勝した経歴がある。
その彼が厳選した酒が、この店にはある。
彼のおすすめで、そば前をしよう。
四季桜本醸造、なんでもないですが、いいんですよね、
という彼の言葉。
彼のおすすめの、やや、温かめの、でも、ぬる燗で。
いやぁ、なんでもなく、すばらしくおいしい。
きれいなお酒だなぁ。
お通しは、自家製の山葵漬け、いいなぁ。
料理も、おまかせに。
鶏肝の生姜煮と、チーズの味噌漬け。
どちらも絶妙な味付けで、酒がすすんで、困る。
二杯目は、同じく四季桜の「花神」特別本醸造、冷やで。
こちらは香り高く、味も前面に出てくるが、
やはり四季桜だなぁ、しなやかで「柳腰」のような、絹のような飲み口。
すきだ。
じつは、黒森庵でも常備酒として「黄ぶな」を置いている。
店を始めるときに、真っ先に決めた酒が、四季桜の「黄ぶな」だった。
そう、
だから、菊谷さんとは、酒で気が合う。
次にいただいた料理は、本鴨のかえし煮。
豚の角煮のような、ほろほろとした食感。
しっかりとした味付けができるのは、鴨ならでは。
これも、酒がすすんで、こまる。
次の酒は、「春霞」純米吟醸初呑み切り、冷やで。
ああ、これも、すきだ。
四季桜がふたつ続いた後だから、
きれいな、切れのよさは、酒としてはおなじ路線だけど、
香りも豊潤、芯が太くなった感じが。
焼海苔を、お願いする。
焙炉に入った海苔は、たいへん香ばしい。
玉子焼き。
出汁の香り高く、ふはふは、と、とてもおいしい(もう、酔ってます、一口食べてますね)。
ぼくとしてはハイピッチだけど、
それでももう一杯、いただく。
「益荒男」山廃純米、冷やで。
ああ、これはボディが厚い。
濃厚で、たいへんしっかりした酒という印象。
でもやはり、菊谷さんが選ぶ酒は、どれも切れがいい。
いいなぁ、これも。
では、そばをお願いします。
一枚目は、北海道鹿追産。
二枚目は、ニセコ産(写真を撮り忘れています)。
なので、一枚の写真で、味の違いをご想像ください。
TOMがいう通りだ。
夏の新蕎麦、とても風味豊かで、甘みもあり、香り高い。
鹿追とニセコの味の違いは、
・・・、
もう、わからなくなっています。
こちらも、ちょっと召し上がって下さい、
と出された一枚。
さらに香り高い。
ぼくは、こちらの方が好きかな。
「一秒かな、早く茹で上げました」
と、ちょっと照れくさそうにいう。
そう、茹で時間で風味が変わるのが、そばだ。
いやぁ、おいしい。
来てよかったなぁ。
「加東さん、プリンお好きですよね」
あ、ばれてる。
なんでだ?
あ、そうか、ぼくが自分でブログに書いてたかな。
最後にそば茶プリンをいただく(まちがいなく酔ってます。少し食べちゃった)。
ふるふる、として、ぽりぽり、として、じつにおいしい。
ふぅ。
ああ、おいしかった。
ごちそうさまでした。
至福。
手打そば 菊谷
住所:東京都練馬区石神井町3-27-16(石神井庁舎裏)
電話番号:03-5393-6899
営業時間:平日・土曜日・祝日 11:30~14:30 17:30~21:00
日曜日はお昼のみの営業 ※売り切れ次第閉店
定休日 月曜日(祝日の場合も振替営業は無し)
2010-09-30 22:59