5月14日の、宝物。 [こころのなかの、こんくらい]
妻の、この世に置いてったものたち(遺品とはいわないよ)を整理していたら、
ぼくのものたちも、自然と目に入ってくるわけだ。
ついでにぼくのも整理するわけだが、
加齢も手伝って、忘れているものが多いんだな。
こんなのが、でてきた。
本です。
INTERNATIONAL AUTOMOBILE PARADE
1961年
世界中の自動車の写真、スペック(諸元表)、ドライブテストなどを集めたものだが、
じつに興味深い。
何度も何度も読み返した(見返した)ものだ。
ABARTH(アバルト)たち。
たとえば、ABARTH 850 Coupe
そのスペック。
全長3.6m×全幅1.42m×全高1.19mと、ほぼ軽自動車並の大きさのボディの重さは600kg。
今の軽自動車はだいたい、7~800kgから1トンだから、いかに軽量だったかが分かる。
元々は自動車の高性能排気管メーカーからスタートしたという。
先のブログでも書いた「ELVA Courier」もあるよ。
ELVA Courier Sports Roadstar
そのスペック。
この車も軽量で648kgと軽量。
78馬力、169km/h。
いかにも当時のブリティッシュ・ライトウエイト・スポーツカー的な性能。
英国の田舎のワインディング・ロードを、
ひらりひらりと走っていたのだろう、
ああ、うっとり。
今はなき、
FACEL-VEGA HK 500 COUPE
そのスペック。(英語、ドイツ語、フランス語、イタリア語で書かれているのだ)
390馬力、1,650kg、最高速度151m/h=241.6km/h!
さすがに高級車だけのことはあるな。
なつかしい、これも珍しい車。
日本語では「フェアソープ」と呼ばれていた。
FAIRTHORPE Zeta
あまり美しくない・・・割には・・・、
145馬力、209~225km/h!
それはそうだろう、この車も669kgしかないのだから。
でも、ちょっとこのデザインで、224km/hはこわいなぁ。
それならぼくはだんぜんこっちのほうがいいなぁ。
もちろん、自動車は見た目だけじゃないけど、ね。
Lotus Elite GT Coupe
洗練度がまるでちがう、と、ぼくは思う(人それぞれです)。
そのスペック。
この車も非常に軽量、597kgしかない。
その車体に100馬力近いエンジンを乗せて、193km/hまで引っ張った。
ああ、古き良き時代。
スピードとは別に、ぼくが大好きな、
FIAT Multipla
これも軽自動車とほぼ同じサイズだが、2人×3列の6人乗りというユニークな自動車だった。
そのころのアメリカ車。
・・・・・。
シド・ミードのレンダリングだろうか。
あまりのセンスの違い。
ぼくはいつかヨーロッパに行きたい、と、
学生のころから、こういうのを見ては溜め息をついていたものなのだよ。
それから40年が経った今、
軽自動車でも1トンを超す重量。
安全な車体を設計するためには必要だといわれるかもしれないが、
一方で毎日のように起きている交通事故。
1トン2トンの鉄のかたまりがスクールゾーンを制限速度を超えて爆走する、
バス、ダンプカーがベビーカーのすぐ脇を通り過ぎる、
そういう世界を、そろそろおかしいと思ってもいい時期なのではないだろうか。
ちなみに自動車保有台数の推移を見てみた。
1966年: 8,123,096台
2011年:78,660,773台
ほぼ、10倍。
そして道路の幅が10倍広がったわけではない。
便利だと思って乗っている自動車だが、
都内を走る限り、自転車のほうが早いことがしばしばある。
人々の命の安全を考えたとき、
自転車と自動車ではどっちが危険な乗り物なのかは、
だれが考えても分かる。
今日、みつけたニュースで〆。
スマート(Smart)の電動アシスト自転車「e-bike」、欧州で発売 @afpbbcomさんから
smart electric bike: Urban Mobility 2.0
高さ800メートルの巨大タワー 新しいクリーンエネルギー源か
太陽光発電で、軽量電気自動車+電動アシスト自転車。
バッテリーの小型軽量化が進めば、きっと魅力的な製品が出てくるにちがいない。
自動車という概念も、大きく変わるかもしれない。
もうA地点からB地点まで、急いで行く時代ではない。
急いで生きる時代は、過去のものだ。
これからは、人生を味わいながら生きる時代だ。
ああ、うっとり。
2012-05-15 00:03
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