SSブログ

都知事選が始まった。



1月23日。


猪瀬直樹氏の5000万円借用問題による辞任劇により、

都知事選が始まった。

あのとき、猪瀬氏でなく宇都宮さんが都知事になっていたら、

いまごろは、ぼくらはどういう生活になっていただろう。



前回ぼくはためらうことなく宇都宮けんじさんに一票を入れた。

それは彼の政策のどれもが素晴らしかったからだが、とりわけ、

「東京から脱原発を」という公約は、

ずっと脱原発を望む黒い森リス爺として一票を入れる決め手だった。



ところが今回、

同じ公約を掲げる方がもう一人立候補された。

それは細川護煕さん。



細川さんは、彼の総理大臣就任時に、

総理官邸で蕎麦打の出張をした時にご縁をいただいた。

去年には「細川護煕さんの、総理メシ」という新聞のコラムで、

黒森庵を取材していただいた。



宇都宮けんじさんも脱原発。


細川護煕さんも脱原発。



ぼくは、どうしたらいいのだ。


もし細川さんの立候補がなかったら、

ぼくはすぐに宇都宮けんじさんのボランティア勝手連を希望していたと思う。



く〜、悩むぜ。



ぼくだけじゃなく、きっと脱原発を望む多くの人びとも、

きっと悩んでいるんじゃないか。



脱原発派の票が割れるよりも、どちらかの陣営が歩み寄り、

一本化するのが良いのではないかという話しもあったようだが、

そうなることもなく、結局、

お二人とも全力で戦われるということになった。


ぼくはほんとうに困った。

どちらも応援したい。

でももし、どちらかの陣営のボランティアスタッフなどになったとしたら、

「ダブル・エージェント」のように思われてしまうかもしれないと思い、

結局ぼくは、なにもしないことに決めた。



だから今回はただの一有権者として、

できるだけお二人の選挙戦とくに街頭演説をリアルに見聞きし、

自分の大事な一票を誰に入れるか決めよう、

そう思った。



でも、なにもしないといっても、

ニュートラルな立ち位置で、

できるだけ日々のお二人を追っかけられればいいなと思った。




1月23日、快晴。


自転車で、GOだよ!


掲示板 往路.jpg
家のすぐそばの熊野神社前掲示板、まだお二人のポスターだけ。

どちらもいかに本気かが伝わってくるね。



都庁前.jpg
ほとんどが関係車両?.jpg
am10:22都庁前、すでにテレビ中継車、メディア関係車両で埋まっていた。

ここは細川護煕さん第一声の場、am11:20からのはずだ。

その前に、宇都宮けんじさんがアルタ前でam10:30から第一声があるので、

そちらに先に行こう。



アルタ前.jpg
アルタ前にはすでに大勢の聴衆が。


アルタ前報道陣.jpg
アルタ前報道陣。



演説中の宇都宮けんじさん.jpg
演説が始まった。

ああ、なつかしい。

前回の都知事選から1年がたった今、

猪瀬直樹前都知事の不祥事によって再び宇都宮けんじさんの演説を聴くなんて。


安定した、やや朴訥とした、いつもの口調の宇都宮さんの演説を聴く。

詳しい公約はぜひ、こちらから。



おし、では都庁前に細川護煕さんの第一声を聴きに行こう。


歩道橋が落ちないか心配。.jpg
歩道はすでに一杯。


カメラクルーの「一部」.jpg
カメラクルーの「一部」。


歩道から溢れた人びと.jpg
歩道から溢れた人びと。


メディア関係者の多さも目立つので

どの程度の聴衆がいるのか分からない。



いよいよ始まる。



元総理同士のツーショット。.jpg
元総理同士のツーショット。


細川護煕さんの第一声.jpg
細川護煕さんの第一声。(内容はぜひこちらから。「げんぱつはいりません」さんブログより。)


ぼくは細川さんがこうして公に政治活動をする姿を初めて見る。

しっかりと主張をされ、小泉さんはそれを確かにバックアップされている印象だった。



ぼくのツイッタータイムラインには、

「殿、ご乱心」

「あんたは土でもいじってればいいんだよ」

「隠居した人間になにができる」

とか、いろいろな罵詈雑言がある。



でも、そうかな。

政界を引退した、陶芸家の道を歩む人間といっても、

土をひねっている間にこそ考えられることだってあるだろう。

無心になった時にこそ浮かぶ気持だってあるだろう。

絵を描く人は絵だけを描いてればいい、それはまったくちがうと思う。


ピカソがただ単に絵を描くだけの人間だったら、

どうしてゲルニカという発想が浮かぶのだ。



ま、いい。



たまたまここで、ぼくは新聞社3社から取材を受けてしまった。

なんで?

黄色のダウンジャケットに自転車ヘルメットで目立っていたからだろうか。

ま、いいや。



いったん帰宅して昼ご飯を食べて少しツイートして、

今度は渋谷ハチ公前へ。


こちらは聴衆が集まりやすい。

若い人びとも大勢いる街の反応を知りたい。


GO!



選挙フェス並み.jpg
ものすごい!



これは、去年夏の三宅洋平さん主催「選挙フェス」並だ。



20130720.jpg
(ちょっと-αくらいかな)


-αといっても、



ハチ公側.jpg
ハチ公側。


選挙フェス側.jpg
選挙フェス側。

ちなみに選挙フェスはここに舞台が作られていたから、

それを考えると、かなりの人びとが聴衆として参加している。


しかも、集まっている人びとが「動員的」雰囲気ではない。


「動員」的ではない聴衆。.jpg
「動員」的ではない聴衆、その1。


「動員」的ではない聴衆2.jpg
「動員」的ではない聴衆、その2。



ま、「動員」かどうかなんてよく分からないといえば分からないんだけど、

なんか、やっぱり「雰囲気」ていうのがある。

「自然発生的」か、「そうじゃない」か、っていうか・・・。



動員かどうかはともかく、

若い人びとが足を止め、聞き入る姿勢があった。


ぼくは今回はとにかく一市民として「俯瞰して」選挙戦を見ようという立場に徹する。



すると、こんな会話が聞こえてくる。


「細川護煕って、あの元総理とかいう人? あ、となりにいるのは小泉純一郎なのかな?」


これは女子高生(くらい?)4〜5人の会話だ。


彼女らが、リアルに総理大臣だったころの細川護煕さんを知っているはずはないし、

もちろん小泉純一郎さんも然りだろう。


ということは、彼女らはどこかで情報を入手していたことになる。


そして、選挙権がないにも関わらず(たぶん)、

彼女らは聴衆として細川・小泉さんの演説を聴いていた。



細川さんから小泉さんの演説に変わり、

身振り手振りを交えての「小泉節」も終わり、

細川護煕さんの渋谷街宣が終わる。



と同時に、同じ場所に宇都宮けんじさんの選挙カーが入ってきた。


細川さんが、宇都宮さんにバトンタッチ、どっちもがんばれ!.jpg
細川さんが、宇都宮さんにバトンタッチ、どっちもがんばれ!


聴衆と握手する、宇都宮けんじさん.jpg
聴衆と握手する、宇都宮けんじさん。



宇都宮けんじさんはこの場で、

「対話型街宣」という試みをされると言う。

なんだか楽しみじゃないか。




宇都宮さん、ランキンさん、吉良よし子さん。.jpg
宇都宮さん、司会のランキンタクシーさん、そして応援に駆けつけた吉良よし子さん。


宇都宮けんじさんと、吉良よし子さん♪.jpg
吉良さんは、ほんとうに演説が上手で明るくてキラキラしている。


そしていよいよ「対話型街宣」スタート。


これは、そこに集まった聴衆の中から質問を受け付け、

その場で宇都宮さんが答えるというものだ。

よほど自分の中で公約がしっかりしていなければボロが出てしまうような、

いや、だからこそ宇都宮さんはこうしたことを始めたのだろう。

素晴らしい。



でも。


ずっとQ&Aを聞き続け、聴衆の動向を見ていたのだけど、

街行く人びとがなかなか輪の中に入ってこない。

「熱い場」というものが生まれてこない。



なんでなんだろう。


ずっと考えていた。



その大きな理由の一つは、

宇都宮陣営は

「カラーを前面に出したい」

という気持から、オレンジ色の旗を聴衆に配って、

良い演説をした時には拍手の代わりに

「旗を振る」

ということをしているようだ。



でもそれが、端から見ると、

申し訳ないがなにかの「新興宗教」的な印象を与えているような気がした。

もちろんそんなつもりは毛頭ないのは分かっている。

ぼくは、去年の宇都宮けんじさんの都知事選の時はほぼ全日、

彼の街宣を見て回っていたからよく理解しているつもりだ。


でも、見ていて、聴衆が足を止めない理由をあれこれ考えていて、

大きな理由の一つじゃないかと思った。



簡単な話し、

宇都宮けんじさんが到着する寸前までは、

三宅洋平選挙フェスくらいの人間がそこにいたのだ。

それがあっという間に、

潮が引くように減っていってしまったのだ。



その人間たちをそこに留まらせるくらいのことが出来ていなかったというのは、

まぎれもない事実なのだ。



それともう一つ。


選挙カーのスピーカーの音質・音量。



これはとくに細川陣営の音響システムは明らかにプアだと言わずにはおれない。


せっかくハチ公前にあれだけの聴衆が集まっていながら、

後ろの方は、まったく聞き取れなかったのだから。

あそこでハイパワーの音響設備があれば、

さらに聴衆が増えいたに違いないと感じた。



宇都宮けんじさんのアルタ前、そして新宿駅西口の街宣に使用していた、



共産党選挙カー.jpg
選挙カーの音質は大変素晴らしかった。


しかし、渋谷の音は耳にきつく、

大事な演説中に音がまったく出なくなる事象が発生していた。

聴衆はそれだけでその場を離れてしまう。



辛口になってしまったし、

ぼくは素人だからこんなことを言っちゃいけないのかもしれないけど、

なんとしてでも脱原発候補にはがんばってほしいと思って、

あえて苦言を呈させてもらいました。



細川陣営でも、やはりボランティアの方々の動きが、

三宅洋平・山本太郎選対とちがう。

なにかどこか「仕事」としてこなしているような。

三宅・山本陣営は、ボランティアスタッフは嬉々としてやっていた。

だからそれはその場の明るさだった。

場を支える照明だった。



いろいろ言っちゃったけど、

どれもこれもdisじゃありません。

もっと良くなってほしいと、こころから願うので、

ついついこうした物言いになってしまいました。



でも、大丈夫、


だって、あと13日あるんだから。



がんばってください、

細川護煕さん、

そして、

宇都宮けんじさん。




nice!(1) 

nice! 1