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地球を生きる、Life On Earth。 [こころのなかの、こんくらい]



あれは

いったい

なんだったんだろう?



初日に見た「火球」



火球は火球なんだろうけど

あんなに巨大なものを

なんで、今、ここ

鶴居村で?



そんなことを

つらつらと

考えた。



お、今日も晴れてるから

月・星が、撮れそうだ。



GO



初日よりも「土地勘」が出てきたから

今日は人工的なものが

見えないところへ行ってみたい。



30分ほど走って「適地」を見つける。



空を見上げると

おびただしい星、星、星。



初日には

「止まっている星たち」を撮ったので

今日は

「動いてる星たち」を撮ってみよう。



PC200422.jpg
PC200423.jpg
これだ。



でもこの間、ずっと

極寒の中で待っていなければならない。


自動車のエンジンを

かけっぱなしにすれば暖は取れるが

周囲は音ひとつないので

なんだか申し訳ないし

人工音は、邪魔だ。



エンジンを、止める。



徐々に・・・なんてもんじゃなく

どんどんと、冷え始める。



だめだ、寒い。



でも、この静寂感は、たまらない。



深夜なので

国道に自動車も

ほとんど通らない。



真冬なので虫の音さえ、ない。



時々、遠くで

鶴の鳴き声が、たまにあるくらい。



寒い、寒すぎる。



どうする。



ここでやめるか。



そのとき。



突然


「これが、地球だ」


と感じた。



畳み掛けるように


ぼくはこの


「地球という惑星を選んで産まれてきた」


ことを知る。



ここに

自分の意思で

降り立ったのだ。



日本人である

東京人である

杉並人である

なによりもその前に

地球人なんだということを、直覚した。



そのぼくは

しかしながら

ダウンジャケットを二枚重ねで

極寒対応のブーツを履き

手には最新素材の手袋をはめ

ポケットというポケットに

ホッカイロを入れながら

それでも

ぶるぶると

身体を震わせている。



足元の大地、周囲の田畑・森林には

おびただしい動物、昆虫、微生物が

素のまま・裸のままで生活をしている。



この差はなんなのだ。



天を仰ぐ。



そこには

キラキラと輝く星たちが全天に広がり

ひときわ大きく

「月」という物体が浮かんでいる。



「月」といえば

誰でも知っているそれって

巨大な惑星。



それが空に浮いているって?



しかもそれが45億年

正確無比に動いているって?



地には木々が

季節ごとに花が咲き、実がなり

それが集まり、森を

そこを寝ぐらに、様々な動物たちが

昆虫たちが

微生物たちが

何層にもその生の循環を繰り返している。



ぼくは今、この地に

この地球という惑星に立つ

ただの、ひとつの命でしかない。



ひとりで

ここ地球という惑星に生まれ、

そしてたぶん

ひとりで

この世を去ってゆく。



なんで?



なんのために?



音楽で

自分を表現してみたいこともあった


デザインで

自分を表現してみたかったし


本を書くことで

自分を表現してみたかったし


蕎麦を打つことで

自分を表現してみたかった。



でもそれは、なんのため?



感じたい。



感じたいのだ。



愛したくて、愛されたいのだ。




それを感じたい、
とことん。



こころの平和を味わいに


ぼくはここ地球に生まれ落ちてきた。



そんな感覚が突然、

猛烈なクリアさで、ぼくを襲った。



家に帰れば

子リスたちが待っている。



妻は他界したけど

依然として彼女ら・彼らの父親だ。



友人・知人もいる。



でも、いま、ここ、では

ぼくは、単なるひとつの命。



それはちょうど

はじめて海外に出て

自分が「異邦人」である

ということを直感する様に似ていた。



それは自分の立ち位置を

「俯瞰」することでもあった。



超冷たい微風が

ぼくの頬を撫ぜ

はっと我に帰る。



いつのまにか

うっすらと

霧が出てきていて




PC200421.jpg
森の上には、美しい光を放つ月が見えていた。



ぼくは、地球人。



そして宇宙の、一員。



生きとし生けるものは

地球という惑星で

生きてゆけることになっている。



だいじょうぶ。



そんな声が

聞こえたような気がした。




DSCN1197.jpg
2016年1時38分の、月。



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