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流れが、ちがう、わくわく。 [小黒森庵]



超多忙な方々が

まさかまさかの大晦日に

小黒森庵を体験してくださった。

ところがなんと。


カメラの露出を間違えてて

写真、ありません

ははは。



でも

素晴らしい感性の人たちが集まってくれて

濃密なひと時で年越し。




明けて元旦。


"Mr.ヘルメットマン" こと

川崎和寛さんが来訪された。



川崎さんとは

ぼくが中学生の頃


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スロット・カー・レーシングに夢中で

サーキット場で知り合って以来だから

かれこれ50年。



知り合った当初

彼は「リトル・ホンダ」という

スーパーカブよりも小さな

自転車に毛が生えたくらいの


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原付に乗っていた。



背の高い川崎さんとのミスマッチが絶妙で


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VANのスタジアムジャケットとともに
(いつも着ていたよ〜な。加齢中につき)

とても似合っていた。


とうぜん、靴は


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リーガルのペニーローファー、だよね。

たしかいつもピカピカだったような。
(これも、加齢中につき)



その彼がある日

ものすごい音とともに我が家へやってきた。

生まれて初めて聞くそのエンジン音の主は


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HONDA DREAM CB750 FOUR。


量産車としては初の200km/h超えという

モンスターのようなオートバイだ。



リトルホンダからナナハンへという

あまりの落差に頭がくらっとしていると

「乗ってみる?」

という。



いや、ぼく、免許ないし。

ちがうよ、後ろに、だよ。



あ、そっか。

すぐに後席に跨る。



バイクの後席は

生まれて初めてだったかな。


男性の背中を見ながら走るのって

どんなものかなと想像はしていたけど

そ〜か〜、こういうものなのか〜

などと思ってシートベルトを握ると

「ぼくのお腹に手を回して、しっかりと」

という。



え”〜、そんなことすんの?

シートベルト持つのじゃダメなの?

と尋ねると

「ころころって、落ちると痛いかもしれないでしょ?」

という。



ま〜さか〜

いくら200km/h出るといっても

そんな加速するかいな

と思ったけど、しぶしぶ従って

彼のお腹に手を回す。



「もっと、強く」

という。



やだ、はずかしい。



「それだと、まだ落ちるかもよ」

と、畳み掛けてくる。



仕方ない。

恥ずかしさをかなぐり捨てて

ぎゅいと彼のお腹をしっかりと持つ。



「いい?」

「うん」

「ほんとに、いい?」

「うん」

「じゃ、行くよ?」

「うん・・・」



彼の背中が前傾になった途端

両手がすっぽ抜けるような加速が始まった。



ぎゅっと握りしめていた両手が離れ

かろうじて彼のお腹のサイドのあたりで

なんとかホールドできたので

落ちずに済んだ。



このとき感じた「G」(加速力)は

今まででもトップランクです。



やがてぼくは美大を目指し

イタリアへ行くことになり

彼は社会人として

HONDAアクセスという会社で

ヘルメット開発の仕事をするうちに

F-1ドライバーのアイルトン・セナの

ヘルメットのデザインを任されるようになる。



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“Mr.ヘルメットマン” (写真はネットからお借りしました)



なんでも

「今年いちばん最初に会いたい人」

ということで


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小黒森庵を見にきてくれた。



去年の7月に発症した脊椎の病気で

遺書まで書くという大手術をして

3ヶ月入院していた彼は

それでもリハビリも順調で

とても元気そうで、よかった。



いろいろと

ん十年分の積もり積もった話しを

一気に聞かせていただいた。


帰り際、自分で久しぶりに描いたという


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ステッカーをいただいた。



元気でね、無理しないでね

川崎さん。




そう。

ぼくは

大晦日に人を招いたことも

元旦に人を招いたことも

たぶん、一度もない。



そんな新年が、始まった。


どういう一年になるのだろう。



わくわく。






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