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モスコゥの、異邦人。 [超夢]



もう、超夢が

どうにも止まらない♬



GO!




F.I.女史が

息急き切って黒森庵へやってきた。

脇にレコードを一枚携えて。



「ね、みてみて、これ!

すごく貴重なの、レアなの。

92年頃だったかな

マイケルが曲を作っているところが録音されてるの。


場所は、ロシア。


スタジオじゃないようなの。

だからまだ録音状態も悪いし

でもこれ、ほんものなの!」



といってぼくに手渡してくれた。



マイケル・ジャクソン? 


ロシア?



じつはぼくはそれほど

マイケル・ジャクソンに詳しいわけじゃない。



はて、

ポール・マッカートニーがロシアで

「Back In The USSR」

をライヴで歌ったらしいが
(ポール・マッカートニーも、そんなに詳しくない)

マイケル・ジャクソンは

ロシアでライヴをしていただろうか?



レコードを受け取り

ジャケットからスリーブごとレコードを取り出し

ちょっと傾けると

するするとレコードが滑り出てくる。


それを、指紋がつかないように

タイミングよく手のひらで受ける

ああ、なつかしい。



ターンテーブルにレコードをセットし

スタートさせ、静かに針を落とす。



ぷちっ。



ああ、なんて休まる音。



絶え間なく、小さくはあるけど

スクラッチノイズが入る。


中古で入手というから

前に聴いてた人はそうとう聴き込んでいるな。



やがてマイケルの声が流れ出す。



おや?


トーンが低い。


キーも低い?


悲しげなような暗いような

なんだか初めて聞くような彼の声そして旋律。



もうちょっと聴きたいと思っているところへ

「おとうさん、たいへん、たいへん!」

「なんだ」

「京都から何人ものそば打ちの方々がいらして

なんでも今日は

『黒森庵で蕎麦を打つ会』

をやることになっていたらしいよ

お父さん、知ってた?」



ぎくっ、そうだった、わすれてた!



あわてて打ち場に行くと

何人もの蕎麦職人の人たちが

それぞれの道具を持参し

ぎゅうぎゅうの打ち場で

すでに蕎麦を打っていた。



すっかり忘れていたことを謝ると

「いやいや、いいんです

でもせっかく来たので

ちょっと打たせてくださいね」

と細面の黒縁のメガネをかけた方。


はて、どなたかな。



数えただけで5人はお見えだった。


すでに二舟(二箱)が打たれ

三人目の職人さんが延し台を掃除していて

これから打つところだった。



掃除?



はっ、と床を見ると

ずっと使っていない打ち場だ

綿ぼこりがたまり

小黒森庵で使った木ネジらが散乱していた。



あちゃ〜。



あわててぼくは掃除を始めた。



目が覚めた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

起きて現実に戻って

「マイケル・ジャクソン」「ロシア」で検索したら

あった。


ぼくが夢で聴いた曲のキーは

もうちょっとピッチが低かったけど。


ちなみに

ぼくは今の今までこの曲を聞いたことがない。



Stranger In Moscow
(1:54あたりからしばらく無音が続きますが
 これはヴォーカルトラックのみだからです。
 2:23あたりからまた歌声が聞こえ出します。
 なお、この音源はデジタル録音なので
 スクラッチノイズはもちろん皆無ですが。)



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