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父の、カメラ。(その2)



葬式は、しないでいい。



もしやりたかったら

「祭り」にしてくれ。



そう。



子リスたちには

そう言ってあるし

墓もいらない

でも火葬はしなきゃならないから

それなら散骨にしてくれ

とも、伝えてある。


そんなことを

日々考えながらの、断捨離。



でも、なぁ。




残されちゃったものは、なぁ。



いわゆる「形見」とでもいうのか。



ぼくはそういうことには

まったく頓着ないし

捨てたかったら捨てればいいんだけど

なぜか、引っかかった。



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父の、カメラ。



このところ

ドンドン、バシバシ

断捨離をしていた。


バカスカ、捨てた。


でもなぜか、今回は引っかかった。



このカメラは

今回断捨離をしていて

見つかったんじゃなくて

ずっといつも、身近なところにあった。



なんでこんなこと書いてるかというと

それこそ本当に断捨離・・・

つまり捨てようか・・・と

考えたからだ。



そしたら、動きが止まった。



なにか、引っかかった。



それは、もしかしたら


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デザインだったかもしれない。


もしかしたら


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ダイヤルなどの質感だったかもしれない。



よく分からない「それ」が

ぼくに「待った」をかけた。



パソコンは今回の断捨離で

4台、お別れをした。


大事な思い出はいくつもあったけど

それでもなんとか

お別れは

きれいさっぱりと、できた。



でもなぜか、このカメラは

そうは行かない。



フィルムを買って装填して

14〜5枚試し撮りをしてみた。



つまりそれで

ちゃんと写ってれば

使ってみようか、という判断だった。



でも、冷静によく考えてみれば

もしシャッタースピードが狂っていたら

ちゃんと写る訳がない。



あるいは

シャッター幕が不完全だったら

やはりちゃんとは写らない。



レンズのどこかに

致命的な黴があれば

それでも満足な写真は撮れない。



どうしたものかとPCに向かい

試しに「NIKON S2」とググってみたら

「フォト工房キィートス」

というのがヒットした。



すぐさまHPへ行ってみると

「長年ニコンでカメラ修理を担当していた2名で会社を興し、お世話になった皆様への感謝の気持ちを表す言葉として、フィンランド語の「Kiitos:ありがとう」を社名としました」

とある。



なんだか、流れを感じた。



翌日(つまり9月20日)は

相変わらず超夢を見続けていた。


つまり

十分に休息が取れていない身体なのだ。


有体に言ってしまうと

起きた途端に「疲れている」のだ。



それでも、身体に聴くと

「行け!」という。



なら、行こう。



朝ごはんは


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松前漬けのお茶漬けを軽く一杯。



初めての西大井駅へ着くも

なかなか分かりづらく

遠回りをしてしまったけど

来て良かった。



遠回りをしてしまったけど


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素晴らしいお店、素晴らしい対応だった。



ご店主、曰く

1)しっかりと、とても良い状態。

2)でも60ん年の経過で
  各部を清掃調整しないと
  本来の性能は発揮できない。

3)たとえば、1/8のシャッタースピードを選んでも
  バルブ状態になってしまうことがある。

4)1/1000のシャッタースピードが
  1/4000くらいの速度になっている。

などなど。



でも、レストアすれば健康体に戻る

と、笑顔でおっしゃる。



その場でレストアをお願いしようとした

その時

やおら電卓を取り出し計算をし始め

提示された金額は、4万円+α。

さらにレンズの分解調整で1万数千円。

トータルで6万円弱ということだった。



でも

「レストアをお勧めします」

でもなく

「もしよろしかったら、いつでもご用命を」

と言うスタンスを崩さない。


そういう金額だということは

彼には最初から分かっている数字だった。



素晴らしい紳士的対応だと、感じた。

ぼくはこの値段は妥当だと思う。



だってもう、代替の部品はないのだ。



つまり、ぼくのカメラの部品を

限りなく生かし

出来うる限りのレストアをしますよ

という金額の提示なのだ。



たいへん有難い。



たいへん有難かったけど

価格が価格なので

今日はレストアをお願いせずに

持ち帰った。



6万円あれば

ぼくがメインで使っているカメラボディが

楽々と買える金額だから・・・。



それでも、今日は

西大井へ行って、良かった。



人間の英知が作り上げた

一つの作品を

守り続けようという

人たちと出会えた。



気分を変えたくなって


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キーマカレーを食べた。



お腹がいっぱいになったので

初めて降り立った西大井という街を

身体で・心で、感じたくなった。



小一時間散歩をしたら

導かれるように

足は「蛇窪神社」へと向かった。



なんだか、どこをみても

「手作り的」な暖かみがあって


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どこの神社とも違う雰囲気を醸し出していた。


ちなみに、ぼくは巳年。


白蛇。


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なにかあるのかな!?



大宮八幡宮もそうだけど

大宮天満宮があり

大宮稲荷神社・三宝荒神社が、ある。



こちらも

「蛇窪神社」他、幾つもの神様がいた。



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ひとの心の発露・手の動きが

なにかを生み出す。



触ることによって得られる、なにか。



無接点で出てくるCDではない

常に接することで得られるレコードの音・・・



なにか、そんなアナログな一日だった。



注:ちなみに朝西大井へ行く時
  一番最初に見た
  「天使の伝言」は


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   358 8888。


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  帰路、最後に見たのは358 358。


  358というのは

  ぼくが特に

  きわめてよく目撃する数字。



  西大井を散策中も

  たくさんの「天使の伝言」を見た。



  だから、どう

  ということでもないけど。

  備忘録として。


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