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峠の、ラーメン。 [超夢]


年の瀬に向かって

超夢、がんがん。



もう一つ、行きます。


峠と呼ぶほどでもない坂道を

久し振りに

ロードバイクで登っているのだが

足腰・・・いやいや

身体全体の筋力落ちまくり・・・。



ゼイゼイ・・・

少しは筋トレしなきゃかな・・・

いや

でもぼくは日々

どんどん「自然化」しているから・・・


動物たちは筋トレなんかしないし・・・

「競う」「鍛える」なんていう感覚は

ぼくの中から

とうの昔に消えちゃってるし、なぁ・・・



つらつら考えながら

ペダルを踏み続けていたら

いつのまにか頂上に着いていた。



ここには

並ぶので有名なラーメン屋があるのだけど

なんか、静かだ。



あれ、今日はお休み?

と思って店を眺める。



そのラーメン店は

峠を上りきった所の側道を左に折れ

数十メートル下った

林を切り開いて砂利が敷いた

広場なような所に

ポツンと一軒建っている。


その広場は駐車場にもなっていて

観光バスも停められる。


つまりそれだけお客さんが来る。



峠の上からすべて見渡せるので

どのくらい混んでいるかはすぐ分かる。



いつもこの峠に来ると

いやでも目に入る長蛇の列はなく

並んでいるお客は3名ほど。



ラッキー・・・なのか?

これならすぐに入れそうだ。



べつにお腹は空いていなかったけど
(このところいつもお腹は空いてない)

こんなに空いてるって、滅多にないし

食べたらまた自転車で走って

カロリー消費すればいいし。



先着の3名の後に並んで待つ。



なんだかそわそわするのは

最近のラーメン屋によくある「流儀」が

この店にもあると聞いているからだ。



曰く

食券ではなく、帰りに会計。

席に着いたときには注文が決まっていること。



たったこの二つだけなのだが

なかなかこれが難しいのは

メニューがたくさんあるからだ。


それもみんなどれも

おいしそうだから、困る。


さらに

「お得なセットメニュー」

というものまである。



スープを決め、麺の太さを決め

茹で加減を決めておかなきゃ。



程なくしてお店の引き戸が開き

「お次の方どうぞ」という声が。



「あ、ぼくらお土産なんす」



お土産なんてあるのかい!


てことはぼくの次の人から着席となり

あっという間じゃないか。



まだ決まってないよぅ

どきどき。



ハキハキした

ちょっとぶっきらぼう

でも、感じは悪くはない

そんな黒縁眼鏡の

白いタオルを頭に巻き

黒いTシャツにジーンズのお兄ちゃんが

「次、お二人様、どうぞ」

とぼくらを見る。



いや、私は一人で、と前の方と合唱。



黒いTシャツのお兄ちゃんは

ちょっとニコッとして

あ、それでは前の方、あちらの席へ

次の方は、そちらへ、と案内された。



入り口は2つあって

右へ行くとそこは土間で

大きな厨房と製麺所になっていて

湯気の熱気と働く人々の熱気

それに混ざるようにして

機械の音などでかなりうるさい。


うるさい土間に

4人掛けテーブル席で

7~8テーブル。


うるさいんどけど

それが好きな人にはそれも味のうちかと

思わせるようなシチュエーション。



ぼくが案内されたのは左側入り口。



こちらは入り口が三段、階段になっていて

そこを上ると畳の和室だった。


こちらも卓は4名用で8卓。

詰めればもっと座れそう

そんなゆったりとした空間だった。


ラーメン屋さんで60席というのは

けっこう、すごいな。



厨房・製麺所とは完全に壁で仕切られていて

とても静かだ。



「あ、ちょっとすみません」と店員さん。


「どきっ」


「今週から法令が施行されまして

お客様にはお食事の前には

必ず手を洗っていただくことになりまして

あちらに新たに洗面台を設けましたので

お願いいたします」



はい、了解。

これは、とても良いこと。


すぐに手を洗いに行くが

急拵えなのか施工が雑だし

洗面台が小さすぎる。


お子様用か?ままごとか?

ていうくらい小さいけど

ま、仕方ない。



手を洗って、いよいよ席につくと

早速注文を取りに来ちゃった。


ここでモタモタしたら

なにか言われそうだけど

まだ決まってない、どうしょう。



その時、見かねた先客の人が

「あ、やっぱりイチオシの

*△□ラーメンで良いと思いますよ。

あと、なんといっても

ここは鳥がおいしいから

照り焼きセットがいいと思います」



メニューをちらっと見ると

*△□ラーメンは汁が赤くて辛そうで

野菜もたくさん乗っていて

照り焼きがついて

セットで1400円・・・。



ん~ちょっと高いのと

少食のぼくには量が多いけど

迷っているとおこられそうだから

ま、じゃ、それにしてみよう。



注文を繰り返して

厨房へ戻るお兄ちゃんと入れ替わりで

ぼくにアドバイスしてくれた人の

ラーメンが到着。



え、なに、おいしそう!


豚骨だけど

油ギトギトじゃないし

スープは澄みきっているし

野菜もてんこ盛りじゃないし。



いいなぁ

ぼくもそれがよかったなぁ。



ぼくの気持ちを読み取ったかのように


「こちらは引き算をしてくれるんです」

「は? 引き算?」

「麺少なめ、油少なめ、味薄めとか

お値段もその分引いてくれるので

お財布にとってもありがたいです。

本来は800円なんですが

これ、650円なんですよ」



えー、それ最初に教えてほしかった!



おまちどうさまー!


山盛り野菜

大判チャーシュー×2枚

メンマたっぷり

真っ赤ギトギトスープ

太麺照り焼き小ライス付き・・・。



これ・・・

想像以上のボリュウム・・・



さぁて、食うぞ・・・

食わねば・・・

食べきれるんだろうか・・・



あ、熱い・・・、か、辛い・・・



目が覚めた。



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