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猪股さんと、キックバイク。 [超夢]



小淵沢での葬儀の翌晩

さっそく

猪股さんの超夢を見た。



いつかみるかなぁ

とは思ったけど

こんなに早くとは。



うれしい。



猪股さんは夢の中では

すでに病から立ち直られ

健康に活躍されていて大変お元気。



では、その夢です。


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ある日彼から電話があり

ご自分の今回の経験から

製品化したいものがあるという。


それは。


病気が長引くと

足腰が弱くなるから

街中を移動するのも億劫になる。


足腰を動かさないと

ますます弱る

弱るとますます外出しなくなる。


その悪循環をなんとかしたい。


そうしないと

治るものも治らなくなってしまう。


なんとか億劫がらずに

足腰もそこそこ使えるような

移動手段はないものか

というものだった。


電動車椅子とかシニアカーでは

しっかり座ってしまうので

足腰はまったく使わずに移動できてしまうから

なんのエクササイズにもならなくて

足を弱らせるだけだ。


電動アシスト自転車は良いかと思って

自分でも買って乗ったけど

足腰が弱くなってからだと

乗る時も降りる時も

健常者のように

ひょい、というわけにはいかない。


鍛錬というほどでなくても良いが

ある程度は

自分の意思で

足腰を使いながら

移動できるのが好ましいとおっしゃる。



とっさに思いついたのが




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我が家にあるキックバイクだった。




こういうものです。



キックバイクは

日本ではまったく知られていないが

本来はクロスカントリーのスキーヤーたちが

雪のない間の体力作りのために

開発された2輪スケーター。



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フィットネスにも活用されている。



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レースも行われている。



そこでぼくは

それを応用した

電動アシスト3輪スケーターを提案した。


3輪としたのは

主に高齢者が乗るので

安定性を重視したからだ。



電動アシストなので

ごく低速時は

ワンキックできっかけを与えると

ゆっくりと人が歩く程度で

ワンブロック程度は進む。


たったそれだけ

と思うかもしれないが

ワンキックで「ツ~~~ッ」と進めば

高齢者にはとても助かると思う。


もう少し蹴り続けると

速度もゆっくり走るママチャリ程度にアップし
アシスト距離もさらに伸びる。


もちろんそういうことが出来ない人のためには

常にアシストがかかる

つまり、電動スケーターとしても機能する。


逆にアシストを少なく~ゼロにすることも

もちろんできる。


その人の体力・目的に応じて

自分でアシスト設定値を変えることができる。


いずれにしても

最高速度は10km/h程度。


大事なことはスピードではなく

運転者は常に立っているということ。


そして常にバランスを取るということ。


この二つだけでも

かなりの足腰そして脳との

信号の行き来が行われるはずだ。


そしてもう一つ大事なことは

そんなにスピードは出ないけど

危険を感じたら

ひょい、と降りれば事が済む。



それらをディスカッションして

やってみようということになり

小淵沢の猪股邸の納屋で

ぼくはパイプを切ったり溶接したり

叩いたり曲げたり磨いたり

トンテンカンテンゴシゴシ。


となりの作業台では猪股さんが

PCとにらめっこで

キックとアシスト量の計算式と格闘している。


「これって、ほんとのガレージメーカーですね」


などと言いながらの

コラボ作業のなんと楽しい事。



いよいよ試作車が出来上がった。



チタン製(?)フレームは軽量で

コンパクトに折り畳み可能。



バッテリーは超小型・軽量だから
(ここはちょっと曖昧です。
もしかすると空気中から給電されるのかもしれない)

総重量はアシスト付きとは思えない軽量さで

ひょいひょいと持ち運び・搬入・搬出ができる。



さて、ではテストライドだ。


すぐに小淵沢を走ろうと思ったけど

地方の田園の道路は空いているから

試走はやはり都内などの混んだところで

シビアなテストが行われるのが望ましい。



相談の結果

出来立てホヤホヤで湯気がたったまま

猪股さんの購入したばかりの

Mini Crossover PHEV.に積み込み

一路東京へ。



なぜか場所は高円寺(的な)場所が選ばれた。


都心ほどは混んではいないが

坂もあれば歩道も商店街もしっかりとある。



猪股さんはわくわくした笑顔が絶えない。



まず、ぼくが試走に出る。



1キックすると

自分が想像した以上に

つ~~~~っと前へ進み続ける。


それはまるで

わずかに下り勾配のついた

なだらかな坂を降るような感覚だ。


まずはこの感覚だけでも大成功といえる。


次に、数回強くキックしてみる。


するとその加速した分をコンピュータが演算して

その分速度も上げるしアシストする距離も増やす。


つまり、数回強くキックするだけで

速度はゆっくり走るママチャリ程度までアップし

それがしばらくの間持続する。


このままどこまでも・・・

と思ったあたりで減速が始まり

次のキックを促される。


あくまでもメインは人間が蹴ることにある。


上り坂は、勾配をコンピュータが感知するので

軽くワンキックしてきっかけだけ与えると

しばらくの間シニアカー程度の速度で

走り続けてくれるし

さらにキックを続ければ

速度も上がればアシスト距離も伸びる。


下り坂ももちろん勾配を感知し

急坂・長い坂などでは

きめ細かに回生ブレーキが働き

速度超過を防ぎ

発電された電気はバッテリーに蓄電される。


サスペンションのおかげで

路面からのショックは極めて少ない。



第一試作だというのに、想像以上の出来だ。



下り坂の途中に

若者たちが地べたに座りながら
(ヤンキー坐りとも)

大声で何か話してる脇を通り抜けるその時

リーダーと思しき男子が


「なにあれ、かっけー!

おれ、ほしい!

おい、みろよ、みんな!」


といってぼくを指差した。



その声を聞いただけで

これはもしかして成功かもしれないと思った。


だってこれ

高齢者向けの製品なのだから。



一周してきたところで

猪股さんにハンドルを渡そうとすると


「ありがとう、でもぼくまだ、治りたてでしょ

うん、まだちょっと心配だから

今日は加藤さんだけでおねがいしま~す」


とにこやかに辞退される。



それでは、と、もう一周。



今回はより念入りに

キックの加減を調整してみたり

ブレーキの効き具合

サスペンションの段差の踏破力

などを調べながら

再び若者たちの前を通過すると

リーダー曰く


「あれよ、なんつーかさ

あの乗ってる人の動きってよ

野口整体の動きに似てるんだよな

あれ、本当にいいぜ、身体にも」


というのが聞こえてきた。



若者たちの間に広まっているのか

野口整体って。



目が覚めた。


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