次の還暦への、道。

もう１０年くらいになるだろうか。



裏庭にひょろひょろと

得体の知れない木が生えてきた。



最初に見つけた時は

放置された植木鉢に育ち始めていて

そのまま放っておいたら

いつのまにか

ぼくの背くらいまで育っていた。



育つ気があるんだなと思ったので

植木鉢じゃなくて

大地に育った方がよかろうと

定植しようとしたら

植木鉢の水抜きの穴から

しっかりと根を張っていて

テコでも抜けない状態だった。



でもこのままだと

いずれ死んでしまうと思い

根を丁寧に剥がし

植木鉢から外し

地球に定植したら

いつのまにか２階のベランダを超え

花を咲かせ実をつけるまでに育った。



この木の前に

やはり我が家に

いつのまにか生えてきて

ぐんぐん育ち過ぎて

困ったなと思っていた

アカメガシワという木が

じつは身体に良いことが分かっていた。

（実際、樹皮を煎じて飲むと
　驚くほどよく効き腹痛が治る。
　子リスたちで検証済み）



長女子リスが

この木もなにか身体に良いのでは

と、調べてみたら

「ネズミモチ」という木で

漢方薬材として

女貞子（じょていし）と呼ばれ

高く評価されているらしい。



それを知った長女子リスは



実と葉と枝を



２日間煮出して



濾して




煮詰めてペースト状のエキスにして

「おとうさん、これを毎日
　爪楊枝の先にくっつけて舐めるといいよ??」

といって




プレゼントしてくれた。



え？　なんで？

と尋ねる、ぼく。



なんでも

これを舐めてると

胃腸を元気にし

五臓を安らかにし
（肝臓・心臓・脾臓・肺臓・腎臓）

心を療養し

あらゆる病気を取り除くという。


じわじわ元気になるうえに

白髪や老眼に効いて若返るとも。


不老長寿の妙薬とも言われているらしい。



なんということだ。



そんなすごい木が

野鳥の糞とともに（たぶん）

我が家に来てくれたなんて。



これで次の還暦までの道は確保したな。



ありがとう、長女子リスよ

ちゅっちゅ、ぎゅっぎゅ