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ペッパーな、ステーキ。



「ペッパーステーキ」の写真を

友人がSNSにアップしてたのを見たら

思い出に火が着いた。



父は「大番」という映画がヒットして

そのおかげで有名になったのだが

その主人公の名前は

「ギュー(牛)ちゃん」

というあだ名で

実際父は牛肉が好きだった。



めちゃくちゃ忙しい日々を過ごしていて

一年を通して休みは何日あっただろう。



「土日」も「祝祭日」も「連休」も

「GW」も「クリスマス」も「大晦日」もなく

ひたすら働き続ける

そんな日々だった。



そんな父だが

時々ポカッとお休みがあると

連れて行ってくれたお店があった。



一番最初は、小学生後半?

あるいは、中学生?



場所は横浜元町。



「CAPTAIN」というレストランがあって

「POPPY」という洋品店に行ったら

ご飯はそこで食べることが多かった。



キャプテンへ行くと

たいていいつも親子で

ペッパーステーキを注文した。



ロースかテンダーロインかを選べたと思うが

当時ぼくは脂身が食べられなかったので

テンダーロインオンリーだった。



フロアマネージャー的な

加山雄三さん的二枚目の方が

厨房でほぼ焼きあがったステーキを

ワゴンで運んできて

目の前でフランベしてくれる。



ボワっと天井近くまで立ち上る炎を

初めて見たときはほんとに驚いた。



銘々の皿に取り分けてくれたステーキを見て

さらに驚いたのは

そのブラックペッパー(ホール)の

量の多さだった。



胡椒が衣?



胡椒に肉が隠れている

そんなかんじだった。



加山雄三さん(似のその方)は

胡椒をよけてお召し上がり下さい

もしお好きならそのままでももちろん

と加山雄三さん的な笑みで

食べ方を教えてくれた。



一口食べてみる。



ふわ〜っと黒胡椒の香りとともに

じゅわっと極上の肉の風味が押し寄せてくる。


と同時に、フランベに使った酒の風味が。



胡椒、辛い。

酒の味、苦い。

でも、おいしい。

辛い、苦い、でもおいしい・・・

辛い、苦い、でもおいしい

辛い、苦い、でもおいしい。



あっという間に平らげてしまった。



皿の脇には山盛りの

よけた黒胡椒の粒が。



もったいないような気もしたが

この味はこれだけの胡椒があってこそ

こういう料理もあるんだと

子どもながらに思った記憶が

蘇ってきた。



たまたま駅前のスーパーで

一枚500円くらいの

OGビーフのサーロインがあったので



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記憶を辿って、焼いてみた。



黒い森の子リスたちは

酒がからきし苦手なので


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赤ワインでフランベしたが

本来のCAPTAINの味は

多分、ブランデーだったと思う。



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でも、おいしかった。



次は、ブランデーで、だな。



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