2020年、最後の、超夢？

いやぁ?、見た見た

今日も三本立て



ぜんぶ面白かったけど

そのうちの一本です。




・・・・・・・・・・・・・・・・・


面白半分で

楽器用の真空管アンプを

友だちといっしょに作ってみたら

プロ仲間の間でたいそう反響があり

たちまち数十台が売れてしまった。



在庫、すっからかん。



このアンプ、超重量級で

ヘッド部分だけで軽く30kgは超える。
（スピーカー無しで、という意味です）



一切基盤を使わず

電子部品は空中配線で

手で半田付けのため

次回ロット生産が未定。



そんな中、

どういうわけか

故障などではなく

一台返品されるという。



ありがたい。


受け取りに行かなくちゃ。



幸い何度か行ったことのある

地方の町だったので

高速を乗り継いで

無事にたどり着いたのは夕方。



いくつかある駐車パークに車を止め

お宅へと向かう。



歓待され、話を伺うと

音自体はとても気に入ってるんだけど

あまり使用頻度が高くないから

もっと使いたい人のところで

使っていただけるのが良いだろう

そういうお話だった。



楽器の腕前も一流だし

オーディオマニアの方だったし

かけてくださるBGMは

すべてレコードで

そのどれもが好きな曲たちで

宴もたけなわ・・・



あれ、そういえば

駐車場って何時までだっけ？



一旦話を切り上げさせていただき

慌てて車を取りに行くが

あれ？



どの駐車パークだっけ？



たしかこの町には３つ

大きなパーキングがあったはずだけど。
（そのどれもが公園のように広い）



多分ここに違いないと

息も切れ切れに入り口を通ろうとすると

「あれ、どっちの方かな、だいじょうぶかな？」

という案内所の方の声が

聞こえたような気もするが。



行ってみると

まだ数台の自動車が残っていた。



ほっ・・・


あれ、でもぼくの車がない・・・


てことは、第２駐車場？



そうかもしれない、と思い

第２へ向かうとなんと

そちらの門は固く閉ざされていた。



が〜ん。



「どっちの方かな」とはそういう意味か。


しかもその鉄の扉は見上げる高さだ。



なんとかならないか。



登るしかない。



その時目に入ったのは

「不審者を見つけ次第警察に通報します。
罰金は1000万円ですのでご了承下さい」

とある。



それでも行くと決めたぼくは

えいや、と鉄の門扉を登り

すたん、と向こう側へ飛び降りる。



その途端、暗がりから

なにかが飛びかかってきた。



羊だ。



飛びかかってきた、ていうより

遊んでほしかったようだ

ほっ。



目をこらすと

至る所に羊が放牧されている。



そうか、ここは緑いっぱいで

いつもきれいに刈り取られてるな

と思っていたのはそういうわけか。



頭いいな

夜の間放牧して

雑草の繁茂を防いでるのか。



感心する場合ではない

ぼくの車はどこだ。



あった。



あったけど

車の周りも羊だらけだし

だいたい門扉が固く閉ざされている。



さっきの案内所の人にお願いするしかないな。



近道を探していると

やや低い垣根のような所があったので

そこをよじ登って

向こう側へ降りようとしたら

ちょうど人の頭が

にゅっと出て来て

踏みそうになった。



でももう

すでに飛び降り始めていたので

身体を捩って

なんとか蹴らずに降りたのだが

そこは隣地のその方の庭だった。



てことは夜のこの時間に

垣根から不法侵入になる。



まずは、あやまらないと。



すみません、かくかくしかじか

と言おうとすると

ニコッと笑われて


「マスクしてませんね」



どきっ。



そうだった、マスクしなきゃ。



いそいでポケットからマスクを取り出して

付けようとすると


「いやいや、そうじゃなくて
ドロボウさんだったら
普通マスクしてるでしょ？

だから、あなたはそうじゃない。

ってことです、ははは」



ほっ。



「あーあ、蜘蛛の巣が付いちゃってますね」


といいながらぼくの頭の汚れを

落とそうとまでしてくれる。



なんていい人なんだ。



理由を話し別れを告げようとすると


「それはすごい。
私も楽器は少々嗜みますので。

ああ、そうだ
私は＠＊□といいます。

デザイナーなんですが
今、六本木AXISで個展やってますから
もしよろしかったら見てやってください」



＠＊□さん？


あの高名な？



暗がりでよくわからなかったけど

そうなんだ

AXISか、懐かしいな

PORSCHEがそばにあったな

大中なんかもあったな・・・

目が覚めた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


そんなこんなで

超夢に明け暮れた一年でした。



あー、おもしろかった。