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よみがえりのレシピを、食べに。(前編)



先日、映画を観た。


「モンサントの不自然な食べ物」



ぼくが文明に疑念を抱き、

それまであたりまえに食べていた

「食」というものに疑問を抱き、

「農」というものに興味を抱き、

それまで勤めていたSONYを辞め、

八ヶ岳に移り住んだのがたぶん、26〜7年前。



玄米菜食を始めたのがそれより1〜2年前かな。



きっかけは、レイチェル・カーソン氏の「沈黙の春」、

そして有吉佐和子氏の「複合汚染」だった。



当時から様々な形で警鐘を鳴らす諸先輩たちはいた。

いろいろと、本を読みあさり、

あちこちに出向いては、

日本の農業の現状、農薬・化学肥料の害、F1種子戦争など、

先達からお話をうかがったり、

在来種の種を分けていただいたりした。



ぼくは都会の生活を捨て、自然農法で生きてゆく道はないものかと、

日々考え続けていた。



考え続けてはいたのだけど、人生、いろいろなことがあり、

今日に至ってしまったorz。



そしてぼくらの目前にはTPPというものが立ちはだかった。



このTPPというものと、在来種の種子の存続は、強くリンクしている。



ぼくは蕎麦打で使っていた蕎麦の実は、ほぼすべて在来種。


宮崎県椎葉在来(焼き畑)。

長野県黒姫高原在来。

富山清水在来。

栃木茂木在来。



もちろん、おいしいから分けていただくわけだけど、

おいしいということと同時に、

在来種を守りたいという気持ちが常にあった。

生産者がいくら作っても、市場が受け入れなければ徒労に終わってしまう。

それを分かって生産している篤農家の方々を応援したい、

在来種を絶やしてはならないという気持ちがいつもあった。




外国から種子が輸入され、

それを使用するよう「指導」され、

いつのまにか在来種が姿を消して行く、

そんなストーリーが、冒頭の映画には描かれていた。



すでにわが国の農業においても、

日本列島のほぼ全土で播種されている種は

F1(エフワン。雑種第一代にのみ優勢遺伝する仕組みを持った種)

と呼ばれるものが使用されている。


これは、収穫時に来年用の種分をとっておこうとしても、

次の年には優性・劣性がばらばらになって出てきてしまうため、

役に立たない、つまり農家は、

いったんこの種を使用し出したら未来永劫的に、

種苗会社から種を買い続けなければならない。



言葉は悪いが、麻薬と同じ構図だ。

しかも、種のみならず、農薬・化学肥料がセットになっていたりする。



農家が、来年まく種を、毎年毎年買い続けるようになったのは、

ここ数十年のことだろう。

それ以前は、農家は種を買うことはなかった。

来年まく種は、自家採取するのが当たり前だった。



でも、今は農家は種を種苗会社から購入している。

これは今、もうすでにこの国では「常識」として行われていることだ。



それがTPPという条約に加盟することによって、

さらに強い締め付けが起きようとしている。



たとえば、遺伝子組換え作物を特許化し、

種苗会社(たとえばモンサント)は「特許権侵害」によってその在来種の農家を訴える、

そのようなことができるようになるという。



それが起きたら、日本の農家は、ぼくらの食卓は、

すべて大手種苗会社にコントロールされるようになる。

そしてぼくは、在来種の蕎麦を打つことも、食べることもできなくなる。




「モンサントの不自然な食べ物」




この映画を観て、そのことをツイッターでつぶやいていたら、


ではこの映画はどうですか? とつぶやきかえしてくださったのが、





「よみがえりのレシピ」



在来種を守り、在来種を生産する農家の方々を守り、


その上で安全でおいしい料理を作る奥田シェフにスポットを当てた映画。




奥田さんの料理を食べてみたい。



行こう、山形へ。




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