ハレの日に。
妻がこの世の卒業したのは4年半前。
齢59歳だった。
若いよなぁ。
黒い森の小リスたちにとって、
とくに末子リスはまだ16歳だったから、
母の卒業はつらかっただろうと思う。
もっといっしょにいたかっただろう。
最愛の母とのしばしの別れ。
自分のこころの整理もつかない時に、
四十九日だからという理由などで
納骨はできなかった。
家族みんなもそうだったと思う。
ぼくだってそうだった。
世の中には「しきたり」があるのは分かっているが、
でもこころにも主張がある。
ぼくは小リスたちのこころが自然に
落ち着くところに落ち着くまで待った。
去年の11月、私の母もこの世を卒業した。
妻と違い、こちらは齢100歳の大往生だし、
父は1975年に卒業していて
約40年会えなかったのだから、
早くいっしょのお墓に入りたいかもしれない。
ある日のこと。
末子リスが
「もう、だいじょうぶだと思う」
という。
それならば、ぼくの母の納骨と合わせて、と、
家族会議をして日にちを決めた。
3月3日、それはぼくと妻の結婚記念日。
巷では桃の節句。
めでたい、明るい、忘れない。
全員一致で、その日に決定。
母は異論はあるまい、父といっしょになれるのだから。
お母さん、おばあちゃん、納骨ですよ〜♪
ふっ切れた、清々しさが漂う。
みんなでお墓を掃除して。
さすり、さすり、すり、すり。
おかーさんには、おされなお菓子、ね!
おばーちゃんには、大好きなチョコと、
草加屋のおせんべと、ぷは、ね!
大介じーちゃんには(会ったことないけど)、
大好きな甘納豆と芋羊羹の代わりにお芋のお菓子、ね!
黒い森リス家族、みんな、笑顔。
無事、納骨できました。
母方のお墓にも、報告に。
らゔらゔ。
ぼくは、ほんとうは、こう思っている。
地球から育った食べ物で育った身体なんだから、
卒業する時には地球に返すのがいいなと。
だからぼくは地球に戻りたい。
妻とは生前に
「お互い死んだら散骨にしたいね」
と話し合っていた。
妻が先に卒業しちゃったけど、
今度ぼくが卒業したら、
妻といっしょに散骨してほしいと
子リスたちには話してあるから、
それまでの間は、このお墓にいてもらって、
そのあとは、いっしょに地球に戻ろう。
そうすれば、ぼくのこどもたち、
孫たちにとっては(まだいないけど)
地球がお墓になる。
どこにいてもお参りができる。
それが、ぼくら夫婦の理想です。
そうそう、
お墓を洗っていたら、
虹が写っていました。
喜んでくれたのかな。
2016-03-04 02:41
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