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母と、呑む。 [こころのなかの、こんくらい]



くぅ〜たまらん。


つい先日まで元気だった母が

彼方(あっち)へ行っちゃったよ。



いつか来るとは覚悟してたつもりだけど、

こうもあっという間に行くというのは、

さすがに考えてなかったな。



ま、旅立ちたかったんだから仕方ない。


呑もう。


父は一滴も飲めない人だったが、

母はなんつたって強い、そしてビール党だ。



日本酒は甘くて、きらい。

ウイスキーは金臭くて、きらい。

ブランデーもウイスキーみたいで、きらい。

焼酎は芋くさくて、きらい。

ワインは白とか赤とかシャンパンとか、

いろいろあってよくわかんないし。


でもビールはなんつたって臭くないし、

清々しいし、

しゅわしゅわしてるし、大好き〜。

(母をチャネリングしてます)



おお、長女子リスが鳥レバー竜田揚げを作ってくれた、



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うす、乾杯!



母はビールを飲みだしたらいくらでもいける。

大瓶6本くらいは、軽い、軽い。

潰れるのを見たことがない。



ぼくは呑めることは呑めるが、母の足元にも及ばない。

今晩(11月17日)は母とサシだったが、

500ml缶ビール3本でかんべんしてもらった。





母は12年間、介護施設に入居していた。

本人が望んだことだが、

その発端は背骨の圧迫骨折だった。

母は背骨を6箇所圧迫骨折し、

病院へ入院したのだが手術はできず、

自然治癒というか、

容態の安定を待つしかなかった。



一応安定はしたものの、

またいつ再発するかもわからず、

一人での生活はもはや望めず、

だれかの介護がなければ自立は無理だった。



我が家は当時7人家族。

みんながそれぞれ学校へ行き、

日々のスケジュールは忙しく、

さらに黒森庵を開業したところ繁盛し、

超忙しくなってしまい、

母を受け入れる余裕はなかった。



ならば彼女にとっての

安定した生きる場所を見つけなければならない。



ぼくはあちこちの施設を探した結果、ひとつだけ、

とてもスタッフの皆さんが明るく働いている施設が気になった。



そこが「くらら調布」という介護施設だった。


母にその話をすると大変喜んでくれ、即決だった。



その施設に12年。

その間、くらら調布は常に明るく、

みなさんたいへん母を気遣って接してくださり、

母は満足した生活を送れた。



だから母の晩年は施設生活だったのだが、

素晴らしい方々に見守られて安心して生きることができ、

とても本人も喜んでいた。



でも。

きっと、心のどこかでは

一人っ子の息子と、

一日でも二日でも、

べったりと、

なんでもない時間を過ごしたかった、

そういう気持ちはあったと思う。


ぼくがそうしたかったのだから。



でも、なにもかもが、母のこの世の卒業で吹き飛んだ。



今日からは、いつもいっしょだ。


いつも、呑める(そこかよ)。



今日(11月18日)は、

吉祥寺に行った帰りにたこ焼きを買った。

駅前のスーパーには

「初摘みホップヌーヴォー」

などという、くらっとくるようなビール。



母よ、今日はこれでいこうぜ。


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かんぱいだ! (向かって左が母です。右は母の母、ぼくのおばあちゃん)


久しぶりだね、おいしいね、

おっとっとっと、泡がね、

ぷはっ。



ちょっと小腹がすいてきたね、かあちゃん、

ちょっと待っててね。



北海道ビーフ(赤身)を包丁でひき肉にし、

100%ビーフのハンバーグステーキ。

ソースは醤油好きのかあちゃんに山葵をおろしたよ。


それから軽井沢の浅間モーターロッジで初めて食べた、

A1ステーキソースだよ。



RIMG0697.jpg
うまいね、かあちゃん。



そんなこんなで、

やっといっしょに晩酌ができた。

あまりにおいしくて、

飲み過ぎに注意しなきゃな。



とうちゃんとかあちゃんには、

この曲を送ろう。



いっしょに、らゔらゔで聴いてくれ。



Love Me Tender by BB King


お幸せに、ね!



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