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熱と、汗。


今回の「風邪の経過」では

生まれて初めて体温を

左右の脇の下で計測し続けて

記録したわけだけど

まだほかにもいくつか

初めて試してみたことがある。



ひとつは、なにも着ないで寝ること。

つまり素裸。



熱が出てる時に裸なんて!

よけいに風邪をこじらしちゃうんじゃないか

と思う人がいるかもしれない。



たしかに母は

ぼくが子どものころ高熱が出ると

いくら暑がっても布団を掛けさせていたし

汗でびしょびしょの寝間着を

何回も取り替えてくれたけど

でもどうせ暑いんだし汗はかくんだし

グショグショのパジャマを脱いだ時の

爽快感は比類なかったから

だったら裸でいるというのはどうだろう

と思ってやってみた。


ただしシーツの上には大型のバスタオルは敷いた。



これは多分、大正解だったと思う。

汗が蒸発する時に身体を冷却したと思う。



でもこれは

寝間着を着ているとそうはならない。

汗はかいても「蒸発しない」からだ。

だからいつまでも熱がこもり

汗でグショグショになってゆくだけだ。



温泉などの風呂上がりで

扇風機にあたって気持ちが良いのは

素肌に直接風が当たり

その部分の汗が蒸発して

体温を瞬間的に下げ続けているからだ。



だから、素肌のまま寝ているのは

じつに気持ちの良いものだった。



動物は寝間着を着ないし

布団もかけないし

人間も素裸が一番自然な姿だ。


高熱が出た時の対処を

身体は自発的に行っているのだ。



それでも身体は汗をかいているので

かきっぱなしでいるよりいるより

時々起きては風呂で洗い流したい・・・

ここでもうひとつ

やってみたことがある。



身体の汗を舐める。



え”~きったね~

と思うかもしれないけど

そんなこたぁ、ない。



汗はそのままではほとんどが水分で

わずかに塩分があるだけだし

たった今自分の身体から出たものだ。


それが汚かったら

自分自身を汚いと言ってるようなものだ。



唾液は唾液で常に口を潤し続け

消化作用・抗菌作用がある

貴重な体液なのだ。



ぼくは日常的に

顔を石鹸で洗う代わりに

猫を真似してまず手を舐めて

それを顔に擦り付けて

それをまた舐めて

というようにして

顔を「洗って」もう数年経つかな。
(はっきりは覚えていないけど)


身体のあちこちを

同じように「舐め洗い」することもある。



まさに猫の動作なんだけど

それを繰り返していると

いつのまにか

「塩味が薄くなって」

もういいや、っていう気持ちが湧いてくる。

その時が「洗い終わった」時になる。



最後はお湯で洗い流すんだけど

多分、唾液の成分のなにかが

適度に皮脂を溶かしてくれるのか

適度に潤っていて、これがじつに気持ち良い。
(ただし、人に会う時は「身だしなみ」として
石鹸で洗ってから出かけてるから
心配しないでね、と、書いておきます)



だから、いつものぼくの

「汗の味」は知ってるのだけど

今回初めて

風邪をひいた時の汗の味を、味わった。



いつもより、濃い。

でも、すごく自然な塩の味がする。



ぼくは料理人でもあるわけだけど

いやな風味は一切なく

おいしい、と、言ってしまおう。


「老廃物」なんて呼称は

汗に対して失礼だ、ていうくらい。



身体のどこを舐め洗いしても

味はいっしょだった。



でもとくに塩味が集中しているのは

身体の表と裏の中間地点とか

指と指の間とか、関節だった。



なんで?



しばらく考えていて、ふと思いついた。

そうか、寝てる時の姿勢かな。


仰向けとか、うつ伏せが多ければ

脇腹とか、いわゆる表裏のボーダーラインは

擦れにくいから、そこには塩分が溜まるのかも。


指の間の塩分が濃いのもそれで説明がつく。


関節部分は多分、シワが多いから

そこに塩分が蓄積するんじゃないだろうか。



そうそう、高熱で汗出して寝ていて

なんか手(手のひら)がベトベトするなぁ

と思って舐めてみたら

これまた塩分濃度が高かった。



なんで手のひらが?

と思ったけど、そうかぁ

「手に汗握る」

くらいじつは汗がたくさん出ているんだね

手のひらって。


しかも、力を抜いた状態の手って

軽くグーを握った状態だから

あまりいろんなものに触れないし。



そんな観察をしていたら

あっという間に

風邪が経過してしまうのだった。



今回の熱で

身体から出た塩分は

けっこうたくさんの量を

おいしく再摂取したんじゃないかと思う。


追伸:
ちなみに普段から寝るときは
冬でもほとんど素裸です。
今回の「初」というのは
「風邪をひいて高熱時に素裸寝」
ということです。



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