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カッカと、テレパシー。 [超夢]



「イタリアの父母」

と、心で慕ってる家庭に

孫が生まれたと知らせがあり

その子に会いに行く。


(超夢です、念のため)



今の時代

流行りの、例の病が

あれこれ、気がかりだけど

なんとか無事に、彼の地へ到着した。



「この子、ちょっと面白んだ」

というのは、その子の父親。



洋服を着たがらないんだ

だから一日中裸なんだ、という。



それはうちの子も全員そうだったから

ぜんぜん不思議でもなんともない。



でも、この子

ちょっと、たしかに、臆病?



それとも、繊細なのかな?



ぼくは赤ちゃんとか動物とかとは

すぐに打ち解ける傾向があるんだけど

この子は、たしかに

なかなかそれが難しい。



用心深い、ていうのか

なにか「間」を測っているような。



ぼくはぼくで

それじゃぁ、と

床に仰向けに寝そべり

笑顔でその子を眺め続けた。



やがて赤子

決心したのか

ハイハイしながら

ぼくの上によじ登り

顔をしげしげと眺めたり

眉毛とか鼻をいじり始めた。



うん、交流が始まった。



彼のぼくへの

「スキャン」も終わり

その頃を見計らって

ぼくは胡座をかいてみたら

彼はちょこんと膝の上に

ぼくに背中を向けながら座った。
(まだ正対するには至ってない)



ん〜、かわいい。



彼の頭からは

赤ちゃん独特のアロマが漂う。



ぼくには孫がいないけど

いたらこんな感じなのかな。



そんなこと想像してたら急に

「あ、やばい」

ていう言葉が聞こえた気がした。



ん? 



なんだ?



周りを見回しても

そのイタリア家族だれひとり
(大家族です)

大声で笑顔で話し合ってるだけで

「ヤバイ状態」ではなかった。



「カッカ、出ちゃった」
(カッカとは、イタリア語で「んち」のこと)



おお、そうか。



ぼくの膝の上で

んちをしてくれたのか。



たしかに少し、生暖かい。



ん? 



でもこの子はまだ

言葉が喋れないはずだけど

正確にぼくに伝わるって、いったい?



「カッカ」はイタリア語だったけど

その他は日本語で伝わってきた。



そうか。



テレパシーなんだ。



面白い子、ていうのは

こういうことだったのか。



それなら、と

ぼくはぼくで、やってみよう。


「うちの子どもたちも、みんな
 赤ちゃんの頃は真っ裸だったし
 膝の上でカッカもしたりしてたよ」


とテレパシーで伝えてみた。



すると

くるっと首をひねってぼくを見て

ニコッ、とした。



やがて「出来事」に気付いた母親が

慌ててスエットの上下を持ってきてくれた。



目が覚めた。


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