年初、宇宙船黒森庵号で起きてること。

料理している時のこと。



包丁仕事をしている

ぼくの手のそばに

ハエが飛んで来て

まな板の上に着陸した。



真冬に？



どこから？



一瞬手を止めて、観察してみた。



こっちを見ている感じがした。



左手人差し指を近付けてみるも

まったく逃げる様子がない。



さらに近付けてみると

なんと人差し指に乗っかってきた。



ぼくの指先を散歩している。



写真に撮っておきたい。



カメラを取りに行きたい。



そう思って

人差指に乗っけたまま

数歩歩いてみるも驚くでもなく

ぼくの指の上を散歩し続けていた。



カメラは居間なので

さらに歩かないと

と思ったその時

指を離れて空中を飛んだ。



そうだよなぁ

それが普通だよなぁ

と思ったら

またぼくの元へ戻ってきて

人差し指を出したら乗ってきた。



「手乗りハエ」なんて、初めてだ。



わかった、写真嫌いなんだね

じゃ、家なんかにいないで

このまま、一緒に外へ行って

自然に戻りなさいと告げ

ドアを開けた瞬間・・・


部屋の中へ飛んで行き

どこかへ消えてしまった。



その後、ハエを見かけない。


・・・・・・・・・・・・・・


ハエは見かけないけど

その代わりに、蚊がいた。



この蚊もしばらく

ぼくの周囲を飛んでいたけど

刺されることはなかった。



一月に蚊を目撃したのは

始めてかもしれない。


・・・・・・・・・・・・・・


そうそう、もうひとつあった。



ゴキのGちゃん（まだ子ども）が

なぜか食卓の丸テーブルにいた。



その場でとっ捕まえて・・・



いやまてよ、観察してみよう

と思って見ていたら・・・



この子もおっとりしていて

ぼくが指を近付けても逃げない。



我関せず、ていうかんじで

ゆったりとテーブルの淵を散歩してる。



時折コップの雫とか

おせんべいのかけらなんかを

クンクンしてみたり。

（でも気分じゃないらしくて、飲んだり食べたりもしない）



一応カメラに収めておくかと

カメラを取りに行って

戻ってきたらいなくなっていた。



そしたら数日後

そのテーブルに置いてあった

子リスの単行本（カバー付き）の中で

寝ているのが見つかった。



そうかぁ

Gちゃんにとっては

このテーブルの上だけでも

生きて行けるんだね

水も食べ物もあるし・・・。



人間は

ジェット燃料燃やしまくって

地の果てまで行っても

まだ飽き足りない・・・



そんなことを、ふと、考えた。



ハクビシンも遊びに来るし。



この家、今、いったい・・・



なにが起きてんだ！？