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和田峠症候群 [自転車]

和田峠は、今までに二回アタックしている。
(なにか勇壮な感じがしますが、ただ登りにいった、ということです)


その顛末は、

「女将の快復と和田峠」

「暑くて、つらくて、また行きたい和田峠」

で書いた。


一度目は、足を着き、しかも少しではあるが歩くという、
してはならぬことをしてしまった。

後悔が残った。


二度目は、暑くて暑くて、水分補給をするために、
足を着いてしまった。

しかし、その場に立ち止まりはしたが、一歩も歩かなかった。

それは、進歩と思うことにした。

「一応登頂」

と、こころの中で位置付け、

最初の後悔は消し去ることにした。


でも、消えないんだよぅ。


絶妙なタイミングというのは、あるものだ。


今までに何回か、スタジオジブリ主催の
「ツーリング・デ・信州」
という八ヶ岳までの自転車ツーリングに、
一緒に参加していたNさんから久しぶりのメール。


一部抜粋:

数日前のブログに「和田峠に行きたくてしょうがない症候群発症中」
とありましたね。
実は僕も今、「どこでもいいから峠を上りたい症候群発症中」なのです。
お店が始まったら、また一緒に走る機会が遠のくと思い、
もし、明日の早朝とかご都合が良ければ、
一緒に和田峠をアタックしたいと思いご連絡した次第です。


おお、すばらしい。

ぼくより一回り若い彼は、毎週白石峠を攻めているという。

通勤は自転車で。

富士ヒルクライム、乗鞍ヒルクライムの常連。

健脚。

ということは、ぼくを引いてくれるに違いない。

(注:自転車で高速で走っていると、
空気抵抗が多ければ多いほど、それだけ疲れるのですが、
先頭にだれかが走ってくれると、その人が「風よけ」になって、
後ろの人はらくちんに走れます。
そのことを「ドラフティング」といいます。
それを利用する時に
「引いてあげるよ」
とか
「引いてちょうだい」
などというように使います)


行かないでか。



朝6時。

ぼくは再開を待つ店の前のバイクスタンドに、
愛馬をかけて待つ。

100814黒森庵前.jpg


時間に正確な性格の彼は、正確にやってきた。

RIMG0142.jpg


では、GO!


引いてちょうだい。
(このように、使います)



毎日走り、追い込んでいる彼は、鬼だ。


鬼引き。

鬼引き.jpg

平均速度で、ほぼいつでも34~5km/hをキープしている。
向かい風でも、多少の坂でも、いつでも。



赤信号で停車。

「どうですか、このくらいのペースでいいですか?」

「そう、でも、、そうだなぁ、もうちょっと・・・、30km/hくらいだとありがたい」


くやしい。


聞いてくるということは、もっと速く走れるんだな。

こっちは、ドラフティングを使わせてもらってるのに、ぎりぎり。
(もう、覚えましたね? 「ドラフティング」)



でも、彼の鬼引きのおかげで、あっというまに和田峠に到着。

ち、近い。


彼は、

「一緒に登りましょう」

と笑顔で、紳士的に誘ってくれる。

Nさんの誘い.jpg



そんなの、やだ。

付いてゆけるはずないし、

自分のペース、とゆーもんがある。


「いやいや、どうぞ、持てるエネルギーを思うさま爆発させてきてください」

と、こちらも笑顔で紳士的対応。


「それでは」

と一言残し、どっかーん。

GO1.jpg

あっという間に視界から消えた。


では、ぼくも。


どっかん。


だいぶ爆発の規模は違うが、

それでも彼が引いてくれたおかげで、

まだ脚がフレッシュだった。

今までの二回のアタックとは様子が違った。



相変わらず辛いのにはかわりがないが、

後がない、というところまでいかない。



最後の最後はやっぱりきつかったけど、

足を着かずに、もちろん歩かずに、

ああ、ついに、



登頂。

和田峠登頂.jpg





ところで、さすがに世の中、連休だ。

一休みしていると、

次から次へと、和田峠症候群の人々が登頂してくる。

みんな、つらくて、楽しそうな顔をしている。

いいなぁ、それでこそ自転車乗りぞ。



さて、つらくて楽しそうなことが、今日はもうひとつ、ある。


GO!

百草園.jpg
百草園となりの坂です。

なぜか「つれづれ蕎麦」のYukaさんから教えていただいた坂。



ものすごい激坂ですが、距離が短いので、

なんとかなりました。

百草園登頂.jpg
(Nさんが撮ってくれたので、恥ずかしながら現れてみます)


帰り道、新兵器で斜度を測ってみました。

・・・測定範囲外・・・

斜度計.jpg
27%まで目盛りがあるんだけど・・・


和田峠では、昨日からの雨で道が濡れていて、
下りに専念しなければならなかったので、
計測できず。

なんのために付けてきたんだ、これ。


ちなみに、視覚的な斜度は、こんくらい。

百草園斜度.jpg
(恥ずかしついで、です)



そろそろ昼飯。

二人ともほぼ燃料を使い切っています。


多摩サイを通って、帰路の途中にある、狛江のオアシス。

志美津やさん.jpg

「志美津や」さんに、吸い込まれました。



穴子天せいろを、むさぼるように。

穴子天せいろ.jpg

良い子は、そばは「手繰ります」ね。



ああ、今日は、ついに和田峠を登れた。

8月14日は、記念日だ。

ハイジ、と覚えよう。


つらかった。

また登りたい。



Nさん、ありがとう、こんどはいつが暇ですか?