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出汁の、世界。



ぼくは鰹と昆布出汁で育った。


母も、妻も、そうだった。


蕎麦屋をやっても

ぼくのベースは変わらなかった。


讃岐うどんの衝撃を受けたのは

三宅一生さんのご招待を受け

ベネッセ・ミュージアム開会式の時

高松空港に降りて食べた

醤油うどんが初めてだった。



空港内で、手打ち

というのにも驚いたし

その安さにも驚いたし

なにしろおいしさに驚いた。


1992年のことだ。



以後、うどんといえば讃岐というくらい

ぼくの中での地位が確立された。



我が家では

子リスたちも皆うどんが打てるし

それなりにおいしく食べてはきた。


でも出汁はいつも鰹ベースだったから

どうしても「本場」の味とは違っていた。



ずっと、やってみたくて

でも、延び延びになっていたんだけど

生まれて初めて

いりこ出汁をひいた。



ひいた出汁で、即


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讃岐うどんに。



なんて、うまいんだ。



なんて、簡単なんだ。



今までの人生はなんだったんだ

それくらいの衝撃。



一回目は、いりこ丸ごと。



二回目は、頭と腹を取った。



やはり頭と腹を取ると

上品ていうか

整ったというか

ちょっと淡白な感じか。



出汁をひいたあとのいりこは

昆布といっしょに

佃煮ならぬ


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佃炒めにしてみた。


オリーヴオイル、ニンニク、鷹の爪

塩、胡椒、最後にちょっと醤油。



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レモンを絞って。



なんて、うまいんだ。



なんて、簡単なんだ。



オイルサーディンより

こっちの方が好きかも。


これ食べるために

出汁をひきたいくらいだ。



またひとつ

この歳になって、世界が広がった。



記念すべき、一日だった。






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