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本当の事が、知りたいだけ。 [超夢]



さらに加速する

超リアルな、超夢。



行きます。



ロンドン?


か、どこか英国の大都市。



黒森庵の支店なのか

それともまた別の店舗なのか。



オーナー(店主)のぼくは

そこを閉店することになった。



金策尽き果てた、とか

五六七なんたらかんたら、とか

そういうことではなく

たぶん、直感で。



大きな店舗で

おいしい蕎麦はもとより

おいしい「Sake」も

おいしい料理も

ライヴ・ステージまである店だけど

畳んだ。



機器・機材・什器その他すべての搬出は

なぜか、友だちみんなが

手伝ってくれている。



なんだか最後までアットホームだな。



そうこうしてるうちに

テーブルが数卓

椅子もそれに応じた数を残して

すべて搬出された。


それらは

最後の最後の

ミーティング用だ。



友人の一人が什器を

一時置き場まで持って行ってくれる

その間、愛犬を預かって欲しいという。



もちろんだ。



小さなトイプードルで

名前を「チェ・ジュ」といった。



彼を送り出し

チェ・ジュを胸に抱き

ほとんど空っぽの

照明を落とした客席を見渡し

これまでの思い出に浸る。



ん?



何人かの、人の姿が。



近付くと

ぼくよりやや背の高い

ロイドメガネをかけた細身の男性。



ジョン・レノンだ。



たしかに。



彼はうちで何回かライヴをしてくれた。



お久しぶりです、ジョン

と声をかけると

ポールも来てるよ

と指をさす方を見ると

暗がりで手を振るポールが見えた。



ジョン:

「ここは、ねぇ
 楽しい場所だったんだ
 ぼくらにとって」



「ああ、ほんとさ、よかったよ」


と別の場所から声が

また聞こえてきた。



見ると

キース・リチャーズと

ロン・ウッドだった。



キース:
「みんな、名残惜しくてきたってわけさ」


ロン:
うんうん、とうなづく。


ジョン:
「昔は良かった
 なんて言いたくないけど
 ほんとに歌いたい歌詞とかは
 チェックが厳しくて
 でもそれでも勇気を出せば
 レコード会社はそれを受け入れた。

 でも、今はそうじゃない。

 なにからなにまで
 チェック、チェック、チェック。

 ほんとうに、ひどい
 ここまで来ちゃうものなんだね」


ポール:
「本当にそうだ、
 当時もダブルミーニングで
 歌詞を書いたものだけど
 今は、それさえも・・・」


といいながら

手を広げ方をすぼめて

やれやれ、という素振りを。


キース;
「俺たちもいろいろヤンチャしたけど
 今の『見えない奴ら』の
 手段ときたら・・・」



その時。



大通りに面した車道から

何十台ものオートバイの爆音が。



英国車じゃない、これは。


日本のバイクの音だ。



見ると

ゆうに50台はいるだろう。



右から左へ蛇行しながら

ヴァンヴァン

ヴァンヴァヴァンヴァン

パッパラパラパと

大通りを我が物顔に走る彼ら。



グループはまさに

日本の暴走族のそれだった。



うちの店の前は

駐車スペースになっていて

20台は自動車が駐車できる

そのスペースに

暴走族がどんどんとなだれ込んできた。



やばい。



大通りに向かってほとんどが

ガラススペースの店づくりだ。



ほぼ全車のヘッドライトが

ぼくらを射抜く。



月夜の晩が

日中になったような明るさだ。



もし

彼らが店になだれ込んできたら

ぼくは

ジョン、ポール、キース、ロン

そして

チェ・ジュを守り切れるだろうか。



その時。



入り口のドアを

コン、コン、とノックする音。



くるか。



どこから見ても

大柄でサングラスの彼は

チームのボスに違いない。



仕方ない。



もう、どうにでもなれ、と

ドアを少しだけ開けて



「はい、なんでしょうか」


と。


すると

すごく老紳士的なイントネーションで


「お騒がせして申し訳ありません。
 あの、こちら、一度みんなで
 来てみたいと思っていたのですが
 今日来てみたらお店が暗いようで
 もしかして今日は、休日でしょうか?」



人は、見かけによらない。



正統な紳士の話しぶりの彼に


「大変嬉しい言葉をありがとうございます。
 実は、今日が閉店の日だったのです」


ボス:
「それは、それは。
 まさにその日に、我々はきたのですね。
 これもまたひとつの、ご縁でしょうか。
 次のステップは、どうなるでしょうね。
 またお会いできる日を」



その時。



「ん?」



と、ぼくが抱いている犬に

釘付けになる、彼。



「チェ・ジュ、ではありませんか?」


「はい、そうですが、ご存知なんですね?」


「ぼくの大親友の、犬ですもの」


と言い

チェ・ジュをひと撫でし

サングラスを外し

笑顔で挨拶をしてくれた。



彼がバイクにまたがり

手で合図をすると

再び爆音が鳴り響き

グループは走り去って行った。



目が覚めた。



なにか、世界が

大きく変わる感じがした。







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