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電車の吊り革と、映画のポスター。 [超夢]



1月23日から24日にかけて

ぼくにとっては「特異日」のような

不思議な一日だった。



だからかどうかは分からないが

超夢を、二つ見て

そして、覚えていた。



これは、その一つ目です。



・・・・・・・・・・・・・・・・・


子リスたちと久しぶりに外出をし

帰路、電車に乗るとなにやら騒がしい。



小学生低学年と思しき子らがそこここで

吊り皮にぶら下がって遊んでいる。



ランドセルは床に散乱している。



背の高い高学年は低学年を抱っこして

吊り皮にぶら下がらせる「サポート」係。



それを待てない低学年たちは

シートに土足で上がり

そこからジャンプして

吊り皮にしがみつく。



みんな夢中だ。



顔が紅潮し、汗びっしょり。



大人たちはだれも止めないどころか

場所をできるだけ空けて

頑張れ、と、笑顔で声援を送ってる。



いいね、いいね

ぼくの子どものころ・・・


・・・いや、それでも

ここまでじゃなかった気が。



数駅を過ぎたあたりで

乗り換えなんだろうか

嵐が去って行くように

いっせいにその子たちは電車を降り

その途端に車内が静かになった。



なんという、静寂。



砂埃で靴底の痕の付いた座席を叩き、座る。



すると今度は隣の女の子二人から

声をかけられた。


「すみません、この辺初めてなんですけど
どこかおいしいお店ってありますか?」



声の主の方を振り向き顔を見ると中学生? 


うっすらと化粧してる。


二人とも手には

クルクル巻いてゴム輪で止めてある

ポスターのようなものを大事そうに持っていた。



話しのきっかけと思い


「それ、ポスターかなにかですか?」


と尋ねると


「そう、そうなんです、よくおわかりですね」


とその場で広げてくれた。



なんとそれは

昭和時代の映画のポスターで

主演俳優、監督などのサイン入りだった。


「これ、本物なんです、オリジナルなんです」


とうれしそう。



おいしいお店もいいけど

こっちの話しの方が断然面白そうだ。



聞くと、映画ファンで

とりわけ昭和あたりの

和洋の映画が好きだという。



どうして?と尋ねると

だって、CGIとか使わないで

生身の身体で勝負されてるじゃないですか

それって、すごくないですか?


監督さんたちだって

当時フィルムは高価だったでしょうけれど

それでも気がすむまでキャメラを回す
(カメラ、ではなく、キャメラと発音していた)

今ならデジタルでコストはかからないけど

そういう緊張感、大好きなんです。



話すことが、一つ一つ素晴らしい。



やがて打ち解け年齢が分かる。


まだ小学6年生だという。


そして隣の友達と二人で旅行中で

明日は京都だという。



もっと話しが聞きたかったけど

次の駅が降車駅だ。



しまった、

食べ物屋さんの話しそっちのけだった。



それを詫びると


「いいんです、いいんです、楽しかったです!」


と満面の笑顔で答えてくれた。



別れ際に名刺を差し出すと
(一応昭和の俳優の息子なので
もしなにかの時にお役に立てればと思い)

彼女も名刺をポーチから出し

ぼくに手渡してくれた。



名前と電話番号しかなく

番号は、固定電話のそれだった。



目が覚めた。



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