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まぼろしのうどん、になりそうだった手打うどん [我が家めし]


うちは7人家族だ。

5人が子どもだ(あたりまえですね)。
4女1男(1男4女でももちろんおなじですね)。

その三女。

先日消滅してしまった拙ブログの、
だれかから
「干し貝柱」
といわれた粗碾き蕎麦粉100%プチ・クッキーを作った、彼女。

クッキー.jpg

黒森庵では花番、つまりFW、
店が始まったとき、彼女は15才だった。

がんばり屋さんです。

上二人、下二人、どちらの兄弟姉妹からも挟まれているからか、
負けん気も強い。

その三女に助けられた。



友だちの志美津やさんが、何日か前のことだがtwitterでこう言った。

「明日は、旨いうどんを打つ・・・」

燃えた。

変身! もとい返信(おやじギャグですね)。

「 今日は、旨いうどんを打つ・・・ 」


すぐに生地を仕込む。

ったって、うちは休業中のそば屋だ。
もともとうどんはメニューにない。
そばは打てても、うどんの修業に入ったことはない。

最初から勝敗はわかっている。
彼はこんなに熱心な研究者だ。
http://blog.livedoor.jp/juuwarisoba/archives/2010-05.html?p=8#20100510

なんでいま、
燃えてどうするというところもあるが、
燃えたものは仕方がない。

当然うちには、うどんに向く小麦粉なんて、ない、が、
女将が毎日焼くパンの粉があるはずだ。

探してみたら、なんとかなりそうなのがあった。

「東北産小麦粉 ゆきちから」

名前でちょっと勝てそうだな。

でも、パン歴25年以上の女将にいわせると強力粉に近いという。

もう少し探してみる。

「国内産小麦使用 薄力小麦粉」

小麦使用、というところがひっかるが、
えい、めんどうだ。
混ぜてやれ。

塩水を作っておいて、水回し。
ん〜、久しぶりの木鉢仕事、なんだかうれしい(8ヶ月ぶりです)。

生地はほどなくしてでき、ベンチタイム数時間(常温です)。

足でフミフミ、手でおりおり、フミフミ、おりおり。
くり返すこと20分。

またベンチタイム。

またフミフミ、おりおり、フミフミ、おりおり。

生地ができた。

延しだ。

おお、延し棒の感触、なつかし。

あっというまにたたみ、包丁だ、
どうだ志美津や、
なんていってません。

久しぶりだなぁ、包丁握るのって、じーん(いちいち感動しています)。

駒板、おお、駒板。

では、トントントン、ト、ギクッ・・・・。

痛い、肩が、もうれつに。


じつは。
忘れもしない5月18日。
東京にものすごい強風が吹いた日、
ぼくは横風にあおられて、自転車から落車した。

右肩亜脱臼。
両手の平、両膝強打。
全治6週間。

まだ治っていなかったのだ。

たたんだ生地を目の前に呆然と立っていると、
三女がそれを見ていて

「切ってみてもいい?」

と目が輝いている。

ありがたい。

「トン、トン、トン、トン、・・・」

もものうどん打ち.jpg

ほとんど何も教えていないのに、門前の小僧だ、

けっこう、やる(親ばかです)。

たすかった。

夕食にありつけました。

冷たいうどん.jpg