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ポタ・ド・六本木・デ・デザイン(何語だ、いったい) [デザイン]



ともあれ、自転車で六本木までポタリングし(散歩ていどで走るという意味ですね)、

デザイナー・学生たちがあつまるトークイベントに参加する、

という意味くらいに受け取っていただければと思う。

デザインハブで行われた。



あれ、この前、

「PACIFIC PEDAL LIFE DESIGN アジアーパシフィックの自転車生活デザイン展」

をやってたところだ。



これには、今回、最近ではめずらしい「縁」を感じる出会があった。

その話しからスタートしたい。





つい一週間前のこと。

黒森庵のお客さまで、以後ご縁をいただいている

多摩美教授の西村さん主催のお話会に参加した。

「東京の山小屋で」

というイベント。

8人定員だという。

代々木上原ルヴァンとなりのル・シアレで、イタリア在住の多木陽介さんという方が、「最近のイタリア、デザイン事情」を話されるという。

多木さんのプロフィールはこちらをごらんください。



西村さんと多木さんは、こういうこともされている。

いま本当に必要な仕事ってなんだろう?



ん〜、むくむく。

(ぼくの好奇心がふくらんでいる音です)


ルヴァンの甲田さんとは長年のお付き合いだし、

これはなにかのご縁、と、

西村さんには無理を承知で、

定員一杯のところ、強引に参加させていただいた。



行ってよかった。


そこで多木さんが、終始一貫して話されていたこと。

「デザインするときは、その根元に遡れ」

ということだった。


コップならコップ。

どのようにして生まれ、

どのようにして作られ、

どのようにして使われ、

どのように広まっていったか。

それを知って、はじめてデザインのスタートに立てる。



まったく、そのとおりだと思う。



彼の、そのストレートな話しに共鳴した。


後日、彼からメールをいただき、

いま、興味深いプロジェクトが進行していて、

そのトークイベントがあるから出席されませんか?



行かないでか。



甲州街道を新宿方面。

あれ、スピードメーターが壊れている。
行きがけに新宿の、大きな自転車ショップで購入する。

車道を走るぼくは、自分の走っている速度を知ることが大事だ。
それからバックミラーは、必須。

ついでに、インテリアショップにふらりと(ポタですから、ね)。


あれ、いいのか、これって?

とある店の.jpg
1,380円。


うちで使っている、これ。
IKEAの.jpg
IKEAで99円(スタンドはついていませんでした)。

メッキと塗装は違うが、デザイン的にはほぼ同じ(金型も含め)。

ん〜。

スタンドが1,281円かい。

こういうことが当たり前になればなるほど、
子どもたちの、ものに対する価値観が崩れていく、
と考えるのは、ぼくだけでしょうか。



気を取り直して、

赤の広場。

緑の広場.jpg

そんなはずはありませんね、絵画館前です。

だれもいなくて、空がきれいで、とてもよい。



六本木ミッドタウンの駐輪場。

駐輪場.jpg

前にも書きましたが、六本木のど真ん中に、
こんな完備された駐輪場があるなんて、
すばらしい、ミッドタウン。



同じミッドタウンのエレベーター内。

わかりにくい.jpg

わかりにくい(見にくい)ことこの上ないデザイン。

老眼のぼくは、眼鏡をかけなければわからなかった。

ああ・・・。

これって、公共デザインだろうに。

すばらしく、ないぞ、ミッドタウン。




気を再び取り直し、襟を正して。

トークイベントに参加する。



「轆轤とノート」


混沌とした現代において、

消費文明の中での、デザインの役割とは?

デザイナーはなにができる?

これからの文明・生活とは?

そのときのデザイナーは?

などということにたいして、一つの提案(プロジェクト)が進行している様を、

そこでは発表されていた。



小石原という福岡県と大分県の県境の村で、

350年続いている小石原焼の陶器の伝統を、

どう守りながら、

どう発展させてゆき、

どう村で生きて、

どう社会に貢献してゆけるか、

という、小さな村での壮大なプロジェクト。



村民、九州大学研究室、そして城谷耕生さんというプロダクトデザイナーがディレクターとなり、

村民の生き様、声をノートにとることから始まった。

お互いが裸になり、一からの出発。


胸を打たれた。


詳しいことはここではとても書けないが、

興味を持たれた方は、9月5日まで開催されていますから、ぜひ。



プロジェクトから産まれた、器。

四葉.jpg

かなり大きいです。(40cm×40cmほど)

写真で見るよりも、実物ははるかにどっしりと存在感があります。



好奇心のかたまりのぼくは、どうしても裏が見たくて。

四葉裏.jpg

これはたいへんな作業だ。

きわめて同じ大きさの器を、まず轆轤でひき、
サイドをカットして、四つを接着して、
裏を整形して・・・。

焼き上がりで、ねじれなどもあるだろうし。

量産はむずかしいだろう。



これをどう使うか、使っているところを見てみたい。

あと、でも、どうやって、どこに収納するのだろう。

(内寸で40cmの奥行きのある食器棚って・・・)



小石原焼きですが、

ぼくは全然知らなかったのですが、

小鹿田焼の親にあたるんですね。

小石原のほうが古いということを、はじめて知りました。



その、「子ども」のほうの小鹿田焼、

女将が大好きなので、

うちでも普段使いの器がいくつもありました。

小鹿田焼.jpg




すばらしいプロジェクトだと思います。

これから大変なこともあるかと思いますが、

このプロジェクトに参加しているすべての人々に、エールを送りたい。