緑が、みたい。
末子リスが急に、
「緑が見たい!」
という。
ぼくだって、負けず劣らず緑が見たい。
他の子リスたちもそうだそうだという。
急遽、黒い森リス家族は八ヶ岳へ行く。
そう、長年都会に住んでいると、
そこに生きている事が自然といつしか思うようになってしまうが、
それはやはり、違うと思う。
ほとんどの道は舗装され、
買い物をする街はビル化され、
排気ガスを撒き散らして走る自動車に違和感を持たず、
時折見る「緑」は植樹・植林であり、
やはり、こうしたことに慣れきってしまうのでなく、
こころの声を聞くことは大事だ。
ぼくが決して忘れないのは、
妻が発病する前、しきりに
「山に行きたい。緑が見たい」
と言っていたことだ。
黒森庵が猛烈に忙しい時期だった。
なかなか妻の希望に応えることができなかった。
そして発病。
緑を見ることと発病に直接の因果関係はないかもしれないけど、
ぼくのなかでは、なぜか特に大事な出来事としてメモリされている。
少なくとも、森林浴は決して都会では味わうことができない。
そして森林浴は間違いなく心身をリフレッシュさせてくれる。
母の山小屋の手入れをしないといけない時期に来てるので、
ちょうどそれを見がてら、日帰りしよう。
早朝。
長女子リスがなにやら仕込んでいる。
ふんふん。
薄い!
こんなんなって、
おいしそ!
ぼくは保温器にあったご飯で、おにぎりを8個作った。
おし、GO!
途中、おにぎり一個を頬張ったが、
立ち寄った中央高速の八ヶ岳PAで気になるものを発見。
三分一 もりそば
すごい香り!
八ヶ岳産の蕎麦粉を、
日本名水百選の「三分一湧水」で手打ちしているのだとか。
知らなんだ。
これからは毎回立寄ろうかな。
おお!
南アルプス、絶景!
見とれる、子リスたち。
富士見高原は、桜が満開。
ふきのとうも、そこここに、ぽんぽん、と。
いいねぇ、春だねぇ。
八ヶ岳に来ると、いつも来ていたパン屋さん、
移転していた。
おし、新しいお店に行ってみよう。
ベルグ。
ご繁盛のご様子。
奥様は溌剌としていた。
こちらへ来るようになって、もう30年くらい経つけど、
以前よりずっとお元気そう。
なによりです。
BERGからの八ヶ岳。
快晴! 絶景!
そろそろ山小屋へ行ってみよう。
お。
牛、かわいい。
うしのはな。
べろんべろん、と、舐めてくれた。
ツノの、突き合い。
都会じゃ触れられない、大きな動物と対面できてよかったな。
お昼は長女子リス作のボレクと、ベルグさんの焼きたてのパン。
ボレクと、ベルグ、
なんか韻を踏んでるけど関係はない。
このところうちの子リスたちはトルコ料理に興味があって、
ボレクはトルコ発祥の料理なんだそう。
ボレクと、ベルグ、
ぱくぱく、ごちそうさま。
どちらもすてきに、おいしかった。
母の山小屋は、もう30年以上になる。
当時は若木だった唐松・赤松も
だいぶ大きくなった。
子リス、やおら木に登る。
ん〜都会っ子とはいえ、やはりそこはリスの本能か。
伝播したのか、
末子リスも、登る。
次女子リスも、登る。
長女子リスと次女コリスは、
ツノの突き合いをしていた。
ああ、愉快也。
さて、夕暮れになる。
山は急に寒くなる。
そろそろ東京へ戻ろう。
ところどころにまだ雪は残っていた。
子リスたち、全開で遊べ、リフレッシュできた。
やはり、ぼくらは自然に生かされていると実感。
帰路、夕暮れの富士山は絶景だった。
行ってよかった。
2015-04-18 07:25
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